一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

製油業界10大ニュース

令和5年の製油業界10大ニュース

 令和5年は、新型コロナウイルス感染症が5類移行となり、国内の人流回復やインバウンド需要により観光地や外食産業他が回復、活気を見せた年となりましたが、近年の原料やエネルギー価格の上昇に加えて円安による物価上昇影響による消費減退も見られ、植物油需要は本格的回復に未だ至らず前年比数量減となる厳しさが残る年となりました。その中でも、植物油業界は、継続的に安心安全な製品を安定供給する責務を全うすべく努めております。ウクライナや中東の地政学的情勢、脱炭素思考からのバイオ燃料需要の増加と前年に続き植物油を巡る環境は厳しい中で、近年その傾向を深めてきている生活様式や食生活の変化からのプレミアムオイルや機能性油の期待は更に高まっており、植物油の価値拡大の動きは続きます。また、昨年始まりを見せた事業強化の動きは搾油合弁会社設立に至っております。令和5年製油業界10大ニュースは、この様な情勢を反映したものとなりました。

順位 項    目
1 穀物相場が昨年の高騰から低下も高水準、加えて円安の進行によりコスト重く、価値に見合った価格の浸透へ努力を継続。
2 新型コロナ5類移行、人流回復やインバウンド需要で観光や外食が回復示すも、価格高騰からの使用量削減影響も受け業務用需要はコロナ前に戻らず。
3 家庭用市場は、価格改定影響で数量減も、単価上昇効果、紙パックや「使用量1/2」等付加価値品やプレミアム油により、市場規模は維持の見通し。
4 地中海沿岸地域の熱波・干ばつにより生産国スペインは2年連続の不作、オリーブオイル輸入価格が高騰、国内各社は安定供給維持へ製品価格改定。
5 世界的な気候変動リスクや人口増、エネルギー需要増に伴う、食品用と工業用間の競合高まり食糧需給逼迫が続く。
6 持続可能な国際競争力、長期的安定供給の確保や環境・社会課題の解決に向け、西日本エリアにおける搾油合弁会社「製油パートナーズジャパン」設立。
7 2023年度上期の各社決算は製品値上げ等が寄与して回復傾向となる。
8 食品値上げラッシュ。2023年は昨年を上回る3万2千品目超え、消費者物価指数の上昇、生活防衛意識が根付く。
9 家庭用市場で米油が伸びる中、天候不順により海外での米の生産量が減少し、安定供給に向けて各社が原料調達を強化。
10 公正取引委員会、消費者庁より、エキストラバージンオリーブオイルの表示に関する公正競争規約及び施行規則が認定・承認。

※10大ニュースは、製油業界関連業界紙9社と日本植物油協会会長の投票により選定されたものです。

前のページへ次のページへ