一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
日本で利用されている主な植物油について、その原料となっている農産物をご紹介しましょう
日本の代表的な植物油で、国内の需要量、生産量ともに最も多い油です。原料は菜種ですが、現在ではカナダで品種改良された「キャノーラ種」が主に使われています。豊富なオレイン酸、適量のリノール酸とリノレン酸を含む脂肪酸バランスのとれた植物油です。軽い風味で、加熱に強いので炒め物や揚げ物等に利用されます。菜種の主な輸入先はカナダとオーストラリアです。
菜種油と並ぶ、代表的な植物油です。リノール酸が豊富で、適量のオレイン酸とリノレン酸を含んでいます。世界で2番目に多く利用される植物油です。
独特のうまみとコクをもち、他の植物油とブレンドされて「サラダ油」や「天ぷら油」として利用されるのが一般的です。大豆の主な輸入先はアメリカとブラジルです。
とうもろこしからでんぷん(スターチ)を採取するとき、副産物として発生する胚芽に含まれる油分を抽出した植物油です。加熱に強いので、菜種油同様に揚げ物や炒め物等に向き、また劣化し難いので、揚げた後の料理の保存性にも優れています。風味が安定していることから、ドレッシングやマヨネーズにも活用されています。リノール酸やビタミンEを豊富に含んでいるのが特長です。原料とうもろこしの主な輸入先はアメリカですが、製油に用いる胚芽は国内のスターチ工場から運ばれます。
綿を採った後の綿花の種子から作られる植物油です。独特のコクと風味を生かすため、他の植物油と混合せずに単独でサラダ油として利用されることが多く、マーガリンの材料としても用いられます。関西地域では、手延べそうめんを製造する際の粘着防止用にも用いられます。原料の綿実の主な輸入先はオーストラリア、アメリカです。
染料としてお馴染みのべに花の種子が原料で、サフラワーとも呼ばれます。淡色でくせのない風味が特徴で、サラダのドレッシング等に生で使われることが多い植物油です。以前はリノール酸を多く含む植物油の代表格でしたが、現在出回っているサフラワー油の殆どはオレイン酸含有量の多い「ハイオレイック種の種子」から製造されています。主な輸入先はアメリカです。
原料はごまの種子で、香ばしい香りと個性的な風味が持ち味です。原料に由来する天然の抗酸化物質、ゴマリグナンの作用で酸化し難く加熱にも強いのが特長です。同じく抗酸化物質のセサミノールには老化防止効果があるといわれます。中国料理は勿論、炒め物や揚げ物、ドレッシング等用途は多彩です。ごまの輸入先はアフリカ、中南米諸国、アジア等広範囲にわたっています。
玄米を精米する時に副産物として発生する米ぬかが原料です。淡白な味と、酸化し難く加熱しても品質が安定している特長を生かし、マヨネーズの原料やスナック食品に、また揚げ物やドレッシング等生食でも利用されています。国内で供給されるほぼ唯一の国産原料でしたが、減反政策等からの影響で、現在ではブラジルや東南アジアからの油輸入が増えています。
原料はひまわりの種子です。種子には白と黒の2色がありますが、製油用に用いられるのは黒の種子です。あっさりとしたくせのない風味で、ドレッシング等にも向いています。現在出回っているひまわり油の殆どは「ハイオレイック種の種子」から製造された油で、オレイン酸とビタミンEが豊富に含まれています。ひまわり油の主な輸入先は、欧州、トルコ、アルゼンチン等です。
オリーブの果肉に含まれる油分を採取した油です。
独特の香りと風味を持ち、調味料的な利用も含めて幅広い用途があります。
熱をかけないように圧搾されたバージンオリーブ油の中でも高品質なものがエキストラバージンオリーブ油です。また、通常の精製した風味のないオリーブ油もあります。
オレイン酸を豊富に含み、安定性の高いことを特徴としています。主な輸入先は、スペイン、イタリア、トルコ等です。
熱帯産のパーム(油やし)の果肉に含まれる油分を採取した油で、常温で固形状です。ステアリン酸等飽和脂肪酸とオレイン酸を多く含み、酸化安定性が高いことから、即席めん、ポテトチップス等加工食品に用いられ、また、固形状の特質を生かし、マーガリンの原料、チョコレートの添加油脂等に用いられます。主な輸入先はマレーシア、インドネシアです。
ココヤシの果実の胚乳を乾燥したコプラから採取した油で、飽和脂肪酸が多いため固体の油で、ラウリン酸等の中鎖脂肪酸が多く含まれるのが特徴。マーガリンやアイスクリームなどに使われます。独特の甘い風味の油です。主な生産地はフィリピン、インドネシア等です。
アマ(亜麻)の種子から採取した油で、α-リノレン酸が豊富に含まれます。酸化安定性が極めて低く、フライ等の加熱調理には不向きのため、生食用。酸化されやすさを利用し、工業用途で使われてきましたが、n-3(オメガ3)系脂肪酸の人気で、食用にも使われるようになりました。あっさりした風味で、ドレッシング等で使われています。主な輸入先は欧州、北米です。
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