一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
表2の摂取目標量に対し、日本人の脂質摂取の現状はどうなっているのでしょうか。厚生労働省が毎年実施する「国民健康・栄養調査」によれば、令和元(2019)年度は表3-1、3-2のとおりです。脂質摂取によるエネルギー比をみると、男女とも食事摂取基準が定める目標量の範囲に概ね納まっていますが、女性では7~49歳の年齢層がやや摂取量が多いという結果になっています。また、男性では各年齢層とも動物性脂質の摂取が植物性脂質より多く、女性では、年齢が高まるにつれて植物性脂質の摂取が多いという傾向が見られます。しかし、これらは平均値であり、平均から大きく乖離して過剰摂取あるいは過小摂取の方も存在します。平均的には好ましい水準にあっても、それが全体にとって好ましいということではないことに気をつけねばなりません。
資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年度)
資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年度)
脂質は、ほとんどの食品に含まれています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」に基づいて、どのような食品から脂質を摂取しているか推計したのが図1です。脂質は肉類から最も多く摂取され、植物油がこれに次いでいます。1日に摂取される脂質のうち植物油、バター、マーガリンなど明らかに脂質(油脂)と分かる食品から摂取される脂質は20%程度で、80%は他の食品から摂取されています。これを「見えないあぶら」と称しています。脂質の摂取管理は、この「見えないあぶら」を含めて行わなければなりませんが、すべての食品に含まれる脂質量を計算して、摂取管理を行うことは現実的には難しいことでしょう(見えないあぶらについては、後述します)。
資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和元年度)」
注:国民健康・栄養調査による1日に平均的に摂取される食品を基礎に、日本植物油協会で推計
資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和元年度)」
注:国民健康・栄養調査による1日に平均的に摂取される食品を基礎に、日本植物油協会で推計