「技あり!ヘルシーフレンチ講座」では、植物油を使ったフランス料理をテーマに、皆様に旬な味わいのレシピをお届けしています。“植物油でフレンチ?”と首をかしげる方がおられるかもしれません。また、“フランス料理は好きだけど、バターは味が重くってね!”と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
新しいテーマに挑むのは、東京・六本木の「開運 お福ラジオ」料理長の田島加寿央シェフ。本場でフランス料理を学び、いくつかの厨房で修行を積んだ新進シェフは、日本各地の特産物を厳選し、“ロハス&ナチュラル”をコンセプトに、和とフレンチの新たな融合という課題にチャレンジされています。その田島シェフが、植物油を用いたヘルシーなフランス料理のレシピを皆様にご紹介。同じ素材、同じ料理でも、植物油を変えることで見事に味わいが変化する妙も、ぜひ味わっていただきたいところです。
レシピには、素材に“○○産”という形容詞がしばしば登場しますが、各地のすぐれた素材を植物油でアレンジし、素材にひそむチカラを最大限に引き出すのが田島シェフの基本テーマです。無論、皆様の身近にある旬の素材を用いていただければ、シェフも顔負けの味を引き出すことができるのではないでしょうか。ヘルシーフレンチで植物油の新しい魅力を発見してください。
さあ!Let' try!
春に種をまいた人参や玉ネギの収穫が始まっています。
一品目の“旬鮮魚のエスカベッシュの彩り野菜添え"は、爽やかな気候の5月ということで、みずみずしい香りがいっぱいの旬野菜をたっぷり味わっていただけるようにと考案しました。
もう一品の“バナナとショコラの春巻き揚げ"は、家族向けの、とっておきのデザートということでお試しいただきたいですね。どちらも、初夏の訪れを感じるにふさわしいメニューに仕上がったのではないかと考えています。
スペイン語のエスカベッチェ(スペイン語も同じ綴り)から来た言葉で、加熱した魚を保存するために考えられたもので、小魚等を油で揚げてから酢漬けにしたものが一般的です。
今回は、新鮮な穴子やヤリイカをサラダ油で揚げてから、フランボワーズビネガーを加えて、少し甘い香りに仕上げてみました。
人参を始めとした色鮮やかな旬野菜は、こんな風にアレンジすると一段と食欲がすすみ、普段よりたくさん摂取することができると思います。
“クーリ"とは、トマト、果物、野菜などを裏ごししてピューレ状にしたもの。
今回の“バナナとショコラの春巻き揚げ"は、少し糖分が高めの濃厚な一品ですが、甘酸っぱいフランボワーズの“クーリ"をちょっと添えるだけで、全体のなめらかさが全く違ってきて、デザートがグレードアップした印象になると思います。
フランボワーズとチョコレートのふたつの香りが混じり合って、何とも言えない奥深い味わいを感じることができると思います。
旬野菜は1分前後でサッと炒めるのがコツ。
火を入れ過ぎると、人参や玉ネギがくたくたになってしまいますのでご注意ください。
「サッと炒めて熱々のままソースとして魚介類にかけることで、よく味が馴染んで料理全体が一体化しておいしくなります。
温かいままでもおいしく召し上がれるのですが、冷蔵庫で1晩ほど冷まして味を馴染ませると、より味わい深く召し上がることができます。
春巻きは低温で揚げようとすると油分を多く吸い上げてしまうので、170℃(※竹串や菜箸を入れた際、グツグツと気泡が沸き立ってくる位が目安)に、高温でカリッと揚げることが大切です。
春巻きのサクサク感、チョコレートのトロ~リ感、バナナのホクホク感など、様々な食感をお楽しみいただける芳醇なデザートです。