一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
日本の植物油の供給は、①油糧原料を国内で搾油・精製して得られる油と、②輸入した油(主として粗油)によって担われています。これを、大豆油、菜種油、熱帯油脂(パーム油、パーム核油、やし油)とその他の植物油に分けて、長期的な動向を図18に示しました。総供給量は、1970~2000年の30年間に2.5倍に増加しましたが、それ以後は横ばいから減少気味となっています。2009年に落ちこんでいるのは、リーマン・ショック後の消費減退影響であると考えられます。
油種別には、1980年代まで最も多く供給された油種は大豆油でしたが、1980年代末に菜種油が大豆油を追い越し、1990年代からパーム油を中心とする熱帯油脂の供給量が増加しました。これに対し大豆油は、2003年をピークに減少に転じました。従って、1980~90年代にかけての供給量(=需要量)の増加を菜種油が支え、2000年代の大豆油の減少分を熱帯油脂が補完する事となりました。その後、2010年代後半以降、大豆油は回復傾向にあり、植物油需要の増加を支えております。その様な中、2020年から新型コロナウィルス禍となり、植物油の総供給量は、同年273万トンと減少、その後原料高騰やエネルギー上昇等によるコスト負担増からの製品販売価格の上昇もあり、2021年264万トン、2022年261万トン、2023年253万トンと、以前の水準を下回る推移となっています。
(単位:千トン)
(単位:千トン)
資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「貿易統計」
注:油種毎に国内生産量と輸入量を加算したものである。国内生産量は粗油ベース、輸入量には粗油・精製油を含むが、単純に加算しています。
資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「貿易統計」
注:油種毎に国内生産量と輸入量を加算したものである。国内生産量は粗油ベース、輸入量には粗油・精製油を含むが、単純に加算しています。
表8は、2023年の植物油の供給量を、国内生産と輸入に分けて示しています。
(単位:千トン)
(単位:千トン)
資料:図18に同じ
資料:図18に同じ