一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
油糧種子は、適切な気象条件さえ備わっていればどこでも生産することが可能で、現実に世界の多くの国で生産されています。しかし、油糧種子の多くは収量が低く、農業経営が経済的に成立するためには広大な農地が必要になる場合が多いのです。この為、高い供給力を有する国は、天候条件と国土面積に恵まれた数少ない国に限定されているのが特徴です。これとは逆に、ごまのように機械化農業に適さない油糧種子の場合は開発途上国でしか生産されなくなり、産地が分散せざるを得ないという特徴があります。
代表的な油糧種子として日本となじみの深い大豆及び菜種について、産地別の生産量の割合を図2に示しました(具体的な数値及び他の油種については、10.資料集のデータをご覧ください)。大豆は、ブラジル、アメリカ、アルゼンチン、中国、インド、パラグアイ及びカナダの7カ国で、世界の生産量の9割を占めています(2021/22年。以下同じ)。また、菜種は、カナダ、インド、中国、オーストラリア、ドイツ及びフランスの6カ国が世界生産量の7割弱程度を担っています。このことは、これらの一部の地域で干ばつ等の被害により生産変動が生じると、世界の供給量に大きい影響を及ぼすことを意味しています。最近では、2008年、2012年、2021~2022年に生じた国際価格の高騰が、そのことを物語るものでした。
1)大豆
2)菜種
資料:図1に同じ