一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

植物油サロン

食に経験や造詣が深い著名人、食に係わるプロフェッショナル、植物油業界関係者などの方々に、自らの経験や体験をベースに、
食事、食材、健康、栄養、そして植物油にまつわるさまざまな思い出や持論を自由に語っていただきます。

第11回 偏りなく何でもおいしく食べられる、健康な体を誇らしく思います 漫画家 倉田真由美さん

「迷ったらやる」旺盛な好奇心で新しい分野にも挑戦

漫画家 倉田真由美さん

大学卒業後、漫画家の道に進んだ私は2000年、週刊誌『SPA!』で『だめんず・うぉ~か~』の連載を開始しました。これは浮気や借金、暴力などの性癖を持つダメな男性“だめんず”とつき合い、ひどい目にあった女性達の実話を元にした漫画です。女性からは「私も同じ。わかります」「私の経験なんか大したことないと、ホッとしました」などの共感を、一般的な男性からは「なぜ、女性を大事にする僕がモテず、こんな男達がモテるんだ!?」という羨望の声を、自分自身が“だめんず”と気づいていない男性には「こんなヤツ信じられないなぁ」という勘違いの感想をいただきながら、連載は7年続いています。お互いのためにならない恋愛は辛いから、自分が幸せで満足できる恋を見つけてほしい。そんな思いを発信したいと願いながら描いています。

最近は漫画以外の本の執筆のほか、雑誌やテレビのコメンテーターとしても活動しています。新しい分野への挑戦はリスクもあるし、物書きにとってテレビに出る影響はいいことばかりではありませんが、私は「迷ったらやる」主義。「面白いことが待っているかもしれない」という好奇心が旺盛で、パンドラの箱を開けてしまうタイプなんです(笑)。私は多方面に精通しているとはいえないし、最初はテレビカメラの前で話すのも緊張しました。今では舞台度胸がつきましたが、人間は緊張50%・リラックス50%のときが一番いいパフォーマンスができるといいます。だから人間関係と同じく、いい緊張感を保ち続けたいですね。

それに新しい仕事で嬉しいのは人との出会い。さまざまな人に出会って影響を受けることで人生が豊かになっていくと信じています。

体が発する素直な声に耳を傾けられる感性を持ち続けたい

「忙しいでしょう?」とよく聞かれますが、そんな私を支えくれるものの一つが食。好き嫌いなく本当にたくさん食べるんですよ。大学時代、学食でお昼を食べるとき、女性は“ギャル盛り”といって小さな器に軽くご飯をよそってもらっていましたが、私は男子と同じどんぶり飯を食べていたものです。今もしっかり食べる分、心がけているのが偏りのない食生活。何でもまんべんなく食べる習慣があると、たとえば野菜が不足しているのが自然に体でわかるみたい。「野菜が足りないよ」という体の声が聞こえるんですね。そんなふうに体が素直に発する声を聞く感性を持ち続けることは、大切だと思います。

こうした食生活に加えてよく歩くことが私の健康法。ハイヒールをはくと歩く手間を惜しんでしまうので、いつもはだいたいスニーカーなどペタンコの靴。仕事中の移動もなるべくタクシーなどを使わず、歩くように心がけています。

私は福岡の両親に息子を預けて、福岡と東京を往復する生活をしていますが、実家に帰るとよくキッチンに立ちます。7歳になる息子の食事で気を配るのは、やはり栄養面。息子が苦手なにんじんやピーマンなど野菜は細かく刻んだり、ペースト状にしたりして、カレーやハンバーグに入れるなど、おいしく栄養を摂らせる工夫をしています。最近は食育が注目されていますが、やはり子供のうちにしっかりした食生活を身につけることは大切ですね。親の食生活に対する真剣さ、いいかげんさはそのまま子供に伝わりますから、親が意識を高めることがまず必要なのではないでしょうか。

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油は潤い。植物油は“風味”として、とても有効ですね

ところで揚げ物など油を使った料理が大好きな私のキッチンに必ず常備してあるのが、ふつうのサラダオイルに加えてオリーブオイルとごま油。植物油はヘルシーなだけでなく純粋においしいから好きなんです。“風味”として、とても有効ですよね。オリーブオイルはパスタに使うと本格的な風味になるし、パンにつけて食べてもおいしい。いつもの鶏肉を焼くにもオリーブオイルを使うとイタリアンの雰囲気が生まれ、トマトやバジルを添えておしゃれに仕上げたくなります。

一方、同じ鶏肉でもごま油を使えば中華風に、ふつうのサラダオイルならシンプルなおいしさの一品になるでしょう。だから、まず使う油を決めてから食材やメニューを考えるのもいいですね。女性がときにはまず洋服でなく靴を決め、それに合わせてコーディネートをするように。

私にとって油とは潤いそのものです。油を使わないさっぱりした料理もいいけれど、やっぱりちょっとそっけない。だから私はお鮨より天ぷら派、焼き魚定食よりトンカツ定食派。機械も油を差したらよく動くのと同じで、人間にとって大切な栄養素である油も適度に摂らなくてはいけませんよね。それに油をきちんと欲する体であること、油を使った料理をおいしく食べられる胃腸であることは素晴らしいと思うんです。年齢を重ねるとあっさりした食物を好むようになるのは自然なことでしょうが、私は「前はお肉が好きだったけれど今は魚がいいわ」とはまだまだ言いたくないですね。油を使った料理をおいしいと思える元気な体であることを誇らしく思っています。

プロフィール 倉田真由美

倉田 真由美(くらた まゆみ)

漫画家

1971年生まれ、福岡市出身。
一橋大学卒業後、『ヤングマガジン』誌でギャグ大賞を受賞し、漫画家の道へ。
2000年より週刊誌『SPA!』(扶桑社)で、漫画『だめんず・うぉ~か~』を連載。

著書は『だめんず症候群』(扶桑社新書)、『いい男には恋のルールは通じない!』(青春出版社)など多数、鈴木おさむ氏との共著で『3日で結婚できる女になる方法』(TOKYO FM出版)がある。 新聞や雑誌、テレビのコメンテーターとしても活躍中。

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