一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

PR TIMESに
「植物油の魅力を再発見 -なぜ、植物油が注目されてるの?-」が
紹介されました。

【イベントレポート】
植物油のさまざまな魅力と、世界で注目されている理由を発信
植物油の魅力を再発見 -なぜ、植物油が注目されてるの?- 開催
2023年9月15日(金) @ABC丸の内グランドセミナールーム+Zoom植物油の魅力や活かし方、価格高騰の背景を解説
また、植物油を活用したレシピの紹介、実演も実施

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一般社団法人 日本植物油協会(所在地:東京都中央区)は、アメリカ大豆輸出協会との共催で、植物油PRイベント、「植物油の魅力を再発見 -なぜ、植物油が注目されてるの?-」 を、2023年9月15日(金)に、ABC丸の内グランドセミナールーム+Zoomで開催しました。

「植物油の魅力を再発見 -なぜ、植物油が注目されてるの?-」は、生活と健康に不可欠のものとなっている植物油について、植物油の様々な魅力や特徴、料理をより美味しくするポイントなどを知ってもらうと共に、これまでは食べるために消費されてきた植物油が、バイオディーゼルなどの燃料需要の増加や、世界的な人口増加による需要増を受けて取り合いになっており、世界的な価格高騰のあおりを受けている状況などを、多くの方々に知って頂く為に開催しました。

本イベントでは、4人の講師による各種講演や、植物油を活用したレシピの紹介と実演、最後に参加者同士での懇親会を行いました。講演の内容は、動画や冊子などを活用した価格高騰の背景に関する講演や、知ってそうで知らなかった植物油の魅力、大豆油とアメリカ産大豆の魅力、植物油と野菜の活かし方など、盛り沢山の内容で実施しました。

来場者からは「植物油の生産地の話など普段なかなか聞けない内容だったので面白かった」「海外情勢が価格に反映され自分の生活に直結するなど興味深い話が聞けて良かった」「野菜ソムリエの調理メニューは参考になったし、とても美味しかった」といった感想が聞かれるなど、植物油について理解を深めて頂けるイベントとなりました。

開催概要

開催日時
2023年9月15日(金)13:00~15:30
開催場所
ABC丸の内グランドセミナールーム(東京都千代田区丸の内3丁目1-1 国際ビルヂングB2F)+Zoom
主催
日本植物油協会/アメリカ大豆輸出協会
司 会 者
モデル 松元 絵里花 様
イベント内容
  1. ① 価格高騰の背景に関する講演(講師:一般社団法人 日本植物油協会 事務局長 立見 健一)
  2. ② 植物油の魅力に関する講演(講師:一般社団法人 日本植物油協会 専務理事 齊藤 昭)
  3. ③ 大豆油とアメリカ産大豆の魅力に関する講演
    (講師:株式会社フードアンドヘルスラボ代表取締役/管理栄養士/医学博士 藤橋 ひとみ 様)
  4. ④ 植物油と野菜の活かし方に関する講演
    (講師:野菜ソムリエ上級プロ/食育マイスター 高崎 順子 様)
  5. ⑤ 植物油を活用したレシピの紹介及び実演(調理実演:ABC Style 様)
  6. ⑥ 懇親会
  7. ⑦ 参加者限定お土産のプレゼント

イベント詳細

■植物油の価格高騰の背景や安定供給を維持する為の取り組みを紹介

はじめに、日本植物油協会の立見健一事務局長が、植物油が置かれている状況について講演を行いました。立見事務局長は、植物油の価格高騰の背景や、安定供給を維持していく為の取り組みについて、動画を通じて紹介しました。

「日本では、様々な商品が値上がりしており、原料の殆どを海外から輸入している植物油も例外ではありません。これまで、食用として利用されてきた植物油がバイオ燃料に利用されたり、物流費や為替、原料相場の高騰、人口大国の中国やインドなどでの食料需要の増加、ウクライナ情勢、異常気象による原料生産量への影響などを受け、従来の価格で安定的に原料を輸入することが難しくなっています。こうした状況の中で、各メーカーは、安定的な商品供給を最優先課題として、生産性の向上、物流の効率化、ニーズに合わせた製品ラインアップの拡充など、できる限りのコスト削減に取り組むと同時に、取引先とともに適正価格の形成に取り組んでいます。
また、日本植物油協会では、「植物油の最近の動向」をわかりやすくまとめた冊子を配布しているほか、協会ホームページや様々なメディアを通じて、植物油が置かれている状況について情報発信しています。9月15日には、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」を用いてスマートフォンやPCから植物油の状況について情報発信をしました。」と語りました。

■植物油のさまざまな魅力や健康との関連性を紹介

日本植物油協会の齊藤昭専務理事は、「植物油の視点・経済社会情勢と健康」と題し、植物油の持つさまざまな魅力について講演しました。

まず、昨今の経済社会情勢を踏まえ、植物油の需要サイドの課題として「世界的な人口増加にともなう需要増」、供給サイドの課題として「農地面積拡大の困難性」を挙げ、需給の乖離によって世界的に供給在庫が減少している実態について説明しました。また、温暖化など気候変動リスクの拡大、ウクライナ情勢や高温乾燥など複合的な影響による食料・肥料の輸出規制、穀物や生産資材価格の高騰、温室効果ガス排出抑制としてバイオマス燃料の需要拡大など、植物油を取り巻く環境には多くのリスクが顕在化していると指摘しました。

また、植物油と健康の関連性について、ハーバード大学の調査結果や厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」を紹介し、植物油に含まれる一価飽和脂肪酸(オレイン酸など)や、多価不飽和脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸など)の心疾患等へのリスク低下等についての解説がなされました。現在世界全体の寿命が延伸している状況下、植物油のエネルギー補給やおいしさ、健康効果が広く認識され、需要が世界中で一貫して拡大している事が紹介されました。

■大豆油(ソイオイル)の特徴や魅力、アメリカ産大豆との深い関係について紹介

フードアンドヘルスラボ代表取締役/管理栄養士/医学博士の藤橋ひとみさんは、大豆油(ソイオイル)とアメリカ産大豆の魅力についてオンラインで講演しました。
大豆はそのままの形ではなく、加工品として食卓に登場することが殆どですが、その中で、特に製造量が多いのが大豆油です。世界の油脂消費量では、パーム油に続くNo.2を占めており、日本においてもNo.3にランクインしています。

藤橋さんは、大豆油の特徴について、「大豆油は、大豆の種子から採取される最も代表的な植物油で、サラダ油をはじめ、マヨネーズやマーガリンの原料などとして広く用いられています。他の食用油に比べて、手ごろで比較的安価であるため、世界的にも非常に人気の高い食用油です」と説明。大豆油が選ばれる理由として、(1)安定的に供給できる体制が整っている、(2)大豆ミールとコストを分担できるため、価格に対する経済的優位性がある、(3)風味・コク・香りに優れている、(4)幅広い加工用途がある、(5)必須脂肪酸やビタミンEが豊富で、健康に役立つ栄養成分が含まれている--という5つの魅力を紹介しました。

また、大豆油はアメリカ産大豆と深い関係にあると言います。「日本が消費する大豆の約9割は輸入に頼っていますが、その約7割分がアメリカから調達されています。さらに、そのうちの約8割が大豆油やサラダ油に加工されているのが現状です。アメリカ産大豆の優位性については、安定供給が可能な点や、品質を保持したまま日本に大豆を運べる点、最先端のインフラとコストの優位性、持続可能な生産性といった点を挙げると共に、サステナビリティの取り組みにも注目。「アメリカ産大豆の視察ツアーに行った際に、実際にアメリカ産大豆に関わる施設や大豆農家を訪問し、サステナビリティの取り組みを自分の目で見て、直接話を聞いて学ぶことができた」と、サステナビリティの取り組みを世界に先駆けて積極的に行っていると話していました。

■野菜の栄養価をアップさせ、美味しさを引き出す植物油の活用法を紹介

野菜ソムリエ上級プロ/食育マイスターの高崎順子さんは、植物油と野菜の活かし方について講演を行いました。

高崎さんはまず、「植物油自体がビタミンEの供給源であることに加え、脂溶性ビタミンを体内に吸収するために必要不可欠な栄養素である」ことを説明したうえで、ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンE(α-トコフェノール)、ビタミンK、ビタミンDにフォーカスを当て、それぞれの脂溶性ビタミンを多く含む野菜をランキング形式で紹介しました。また、この4つの脂溶性ビタミンの他に、「ファイトケミカルス(植物の機能性成分)の中でも、脂溶性のカロテノイド物質(リコピン、ルテイン、β-クリプトキサンチンなど)の吸収率も高めることができる」と、野菜と植物油を組み合わせることで栄養価をさらにアップさせることができると強調しました。さらに、オリーブオイルではポリフェノール、亜麻仁油ではα-リノレン酸、米油ではγ(ガンマ)-オリザノールなど、それぞれの植物油に含まれる栄養価も野菜にプラスすることができると解説しました。
次に、植物油を使って野菜のおいしさを引き出すコツを紹介しました。

「野菜を植物油で『揚げる』と、コクとうま味がアップし、野菜の料理を主役級にレベルアップさせることができます。苦味や青臭さをマスキングし、油の風味をプラスすることで、子どもが苦手なピーマンやナス、しいたけなどの野菜も食べやすくなります。特に、植物油を使ったピーマンやナスの『揚げ浸し』は口当たりがよく、食欲をそそる絶品料理に仕上がります」とのこと。「また、サラダや野菜スープ、ジュースについても、仕上げに植物油をひと回しすれば、料理にツヤと輝きを与えることができます」と、植物油をうまく活用することで栄養価だけでなくビジュアルもアップさせることができると教えてくれました。

■植物油を活用したレシピ3品を実演調理で紹介

講演が終わると、ABC Styleの講師による植物油を活用したレシピの調理実演を行い、作り方のポイントやコツをレクチャーしました。今回調理したレシピは、「カボチャとチキンのスパイシーグリル」、「モロヘイヤ入り麻婆豆腐」、「グリーンソイガスパチョ」の3品です。調理後には、司会を務めたモデルの松元絵里花さんが「モロヘイヤ入り麻婆豆腐」を試食し、その味わいを堪能していました。

●カボチャとチキンのスパイシーグリル

鶏肉の漬け込み液にオリーブオイルを使用することで、風味がアップするだけでなく、そのまま炒めることができます。スパイシーなチキンとほんのりと甘いカボチャは相性抜群です。

●モロヘイヤ入り麻婆豆腐

米油でじっくり炒めることで、ニンニクやショウガの風味にコクと旨味を与え、仕上げのごま油で香りが一層増します。モロヘイヤにとろみがあるので、片栗粉が少な目でも程よいとろみがつきます。

●グリーンソイガスパチョ

大豆油のコクと風味をプラスし、鮮やかなグリーンに仕上げる冷製スープ。アボカドを使っているので、とろみがある仕上がりになります。大豆油は仕上げにも回しかけることでよりコクがアップします。

■懇親会と参加者の声

最後に行われた懇親会では、調理実演で紹介した3品を試食しながら、参加者同士の交流を深めました。
来場者からは「植物油の生産地の話など普段なかなか聞けない内容だったので面白かった」「海外情勢が価格に反映され自分の生活に直結するなど興味深い話が聞けて良かった」「野菜ソムリエの調理メニューは参考になったし、とても美味しかった」といった感想が聞かれました。

<アメリカ大豆輸出協会 西村 允之 日本代表コメント>

大豆油は業務用が中心で、スーパーやコンビニの店頭では殆ど見かけません。だからこそ、食への関心の高い皆様に、大豆油やその原料のアメリカ大豆について、もっと知って頂こうという目的で、USSECは6年前に「ソイオイルマイスター検定」を立ち上げました。優秀な成績を収めた方にはアメリカ研修に行っていただきます。是非、多くの皆様に受験頂きたいです。

<日本植物油協会 齊藤 昭 専務理事コメント>

植物油は、近年その健康価値が広く認識されるようになり、家庭での使用頻度も増えています。また、世界では植物油の新しい研究が進んでおり、健康増進効果に加えて、他の食材を美味しくする効果も科学的に検証されています。一方で、異常気象による原料の不作やバイオ燃料による非食用での需要増の影響で、世界的に植物油の需給がタイトになっているのが実状です。当協会では、こうした市場環境の変化に柔軟に対応し、多様な機能を有する植物油の継続的な発展、さらには新時代の創出を目指していきます。そして、食用油全体の価値向上と市場活性化に貢献できるよう、今後も努力してまいります。