一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第8回】トマトと桃の清涼感に、植物油で濃厚感をプラス!
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
一品目で使われている「ルネッサンストマト」には、どのような特徴があるのでしょうか?
イタリアの有名なサンマルツァーノというトマトに似て、果肉が厚く種子の部分が少なめで、濃度があり水っぽくないので、スイーツとして扱いやすいトマトなんです。先のとがった形も特徴的。愛知県で育種された品種ですが、栽培面積が少なく「幻のトマト」とも呼ばれています。果皮が軟らかく、丸かじりしても皮が気になりません。今回は、この「ルネッサンストマト」ならではのコクのあるムースにアクセントをつけて、より豊潤な味わいにするために、オレンジとバジルを加えて、クルミオイルとサラダ油でアレンジした濃厚なソースを組み合わせてみました。
一品目の「チュイル・ダンテル」とは、どのようなお菓子なのでしょうか?
トマトをスイーツに昇華させるためのもうひとつの手段として「チュイル・ダンテル」というお菓子に組み込んでみました。フランス語で「チュイル」は『瓦』、「ダンテル」は『レース網の模様』を意味しています。レースのように穴が開いて焼き上がるのでこう呼ばれています。カリッと香ばしいキャラメル系の味わいで、通常はオレンジ風味の味つけが一般的なのですが、オレンジの代わりにトマトを入れ、少し酸味のきいた清涼感のある味わいをお楽しみいただけるのではないかと思います。色味もとても鮮やかなピンクで美しく仕上がります。この「チュイル・ダンテル」を先ほどの「ルネッサンストマト」のムースにつけて食べても美味しくいただけますよ。作るのが簡単な割には、スイーツに少し飾っただけでお洒落に見えますし、バニラアイスやコーヒーとの相性も抜群です。
二品目は、この時期にふさわしい白桃のスープですね
香りのよい桃をヨーグルトや生クリームなどと合せて、口当たりのなめらかなスープ状のデザートに。冷たく凍らせたフルーツのシャリシャリ感が、盛夏の暑さを忘れさせ、火照った身体をクールダウンさせてくれます。桃ならではのクリーミィさに、スイカの瑞々しさ、そしてチョコチップをスイカの種に見立ててアクセントにしてみました。このスイーツに組み合わせたのは、ミントオイルのソース。サラダ油がフルーツ類にコクと潤いを与え、ミントが清涼感を演出しています。デザートしてももちろん美味しいのですが、食事の前の前菜としてこのスープを飲めば、メインディッシュの食がすすんでいくことも保証される一品です。
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<「ルネッサンストマト」のムース>

  • 「ルネッサンストマト」・・・700g
  • 生クリーム・・・50cc
  • グラニュー糖・・・80g
  • オレンジジュース・・・100cc
  • コアントロー・・・少々
  • レモン汁・・・少々
  • 板ゼラチン・・・10g

<トマトのチュイル・ダンテル>

  • 無塩バター・・・100g
  • グラニュー糖・・・100g
  • アーモンドダイス・・・100g
  • セミドライトマト・・・50g
  • 薄力粉・・・50g
  • トマトジュース・・・50g

<オレンジ&バジルオイルのソース>

  • オレンジ・・・1個
  • 「ルネッサンストマト」・・・1個
  • バジル・・・6枚
  • クルミオイル・・・20cc
  • サラダオイル・・・20cc
  • 塩・・・少々
作り方
「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て 「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て 「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立てス 「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立てス

<「ルネッサンストマト」のムース>

  • 湯むきをして二つに割り、種を取り水気を取っておいたトマトをミキサーにかけ、ピューレにしてオレンジジュースとグラニュー糖を混ぜ、加熱する。
  • 水でふやかしたゼラチンを溶かしゆっくりと冷水にて冷まし、八部立てしたホイップクリームを加えてからコアントローとレモン汁で味を整え、型に流し、冷蔵庫で固める。

<トマトのチュイル・ダンテル>

  • 薄力粉とグラニュー糖を良く混ぜ合わせ、そこに溶かしバターを加え良く混ぜ、さらにトマトジュースを注ぎ入れ、馴染ませる。
  • 次にアーモンドダイスと5mm位に刻んだセミドライトマトを混ぜ、冷蔵庫で1時間程度を目安に休ませる。
  • [2]をオーブンで180℃で焼き上げる。

<オレンジ&バジルオイルのソース>

  • 鍋にクルミオイルとサラダオイルを注ぎ、バジルの茎を加え、加熱して香りをつけておく。
  • [1]を少し冷ましたのち、果実だけをきれいにむいたオレンジ、湯むきをして5mm角に切ったトマト、そして千切りしたバジルを加え、塩で味を整えてソースとする。

    ※最後にトマトムースをお皿に飾り、お好みの形に焼きあげた「チュイル・ダンテル」を乗せ、オレンジバジルソースをかけて出来上がり。
「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て
田島シェフのひとこと

生クリームのホイップを入れるタイミングなんですが、完全にゼラチンが溶けて固まる寸前につなげていかないと、分離して乳化されていない状態になり味わいが滑らかにならないですし見映えも良くないので、気をつけてくださいね。

「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て
「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て
白桃のスープ スイカのミントオイルマリネ添え
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<白桃のスープ>

  • 白桃・・・4個
  • 無塩バター・・・50g
  • ブイヨン(鶏ガラ)・・・200cc
  • ヨーグルト・・・120cc
  • 生クリーム・・・180cc
  • 牛乳・・・90cc
  • 塩・胡椒・・・適宜
  • レモン汁・・・適宜

<スイカのミントオイルマリネ>

  • スイカ・・・50g×4p
  • チョコレート・・・30g
  • ミント・・・20枚
  • サラダ油・・・20cc
作り方
白桃のスープ スイカのミントオイルマリネ添え 白桃のスープ スイカのミントオイルマリネ添え 白桃のスープ スイカのミントオイルマリネ添え

<白桃のスープ>

  • 鍋にバターを溶かし、皮をむいた白桃を良くソテーして水分を飛ばし、軽く下味の塩・胡椒をして、そこにブイヨン(鶏ガラ)を注ぎ入れ、ミキサーでピューレにして良く冷ます。
  • [1]をヨーグルト・生クリーム・牛乳で伸ばし、塩・胡椒で味を整える。

<スイカのミントオイルマリネ>

  • サラダ油とミントの茎と10枚の葉を温めミントオイルを作り、残りのミントの葉をみじん切りにして合わせる。
  • チョコレートを溶かし、スイカの種の様に形を作る。
  • スイカの形を整え、[1]のミントオイルでマリネする。

    ※最後に、白桃スープをお皿に流し、スイカを添え、チョコレートの種を飾り、最後にミントオイルを垂らして出来上がり。
白桃のスープ スイカのミントオイルマリネ添え
田島シェフのひとこと

白桃の糖分によって甘さが足りないと感じた方は、お好みでグラニュー糖を加えていただいても構いません。このスープは鍋に入れてから十分に煮詰めて水分を飛ばさないと美味しくできませんから、ここは時間かけてください。弱火で5分位が目安になると思います。

白桃のスープ スイカのミントオイルマリネ添え

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