一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第3回】肌寒い秋、ほんの少し温まる朝食系スイーツ!
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
今回は「蒸しパン」に挑戦ですね?
蒸しパンと言えばサツマイモを使ったものが代表的ですが、今回はドライのアプリコットを使って、より爽やかに食していただくことを狙いとしてみました。これから肌寒くなるシーズンを迎えますが、ほんの少し温まるスイーツとして、おやつだけではなく朝食としてもおすすめのレシピだと思います。蒸しパンと組み合わせるフルーツは、ドライであればイチジク、イチゴ、キウイ、パイナップルなど何でも大丈夫。お好みでお選びください。作り方のポイントとしてはパン素材と混ぜ合わせる卵、牛乳、無塩バターを、必ず「常温」の状態で活用すること。冷たいままだと分離してしまい、しっとりとした蒸しパンに仕上げることが出来ません。
ソースには、サラダオイルを使われていますね?
通常の蒸しパンのレシピですと、どうしてもベーキングパウダーの粉臭さが残ってしまいがちです。それをなるべく消すために、ドライフルーツを使用することに加えてソースの中にもキルシュ(※サクランボのリキュール)やレモン汁を加えるようにしています。ソースのレシピをホイップする際に、卵の黄身だけが分離した状態になることを避け、マヨネーズのように乳化させるのがサラダオイルの大きな役割。このサヴァイヨンソースは、1~2分ほどかなり弱火で慎重に作らないと、卵焼きというか、スクランブルエッグのような状態になってしまう可能性が高くなるので、ご注意くださいね。どちらかと言えばシンプルな蒸しパンと、対照的にコクがあって芳醇なソースのコラボレーションをお楽しみ頂ければと思います。
二品目は、「サヴァラン風」のオリジナルドーナツですね?
一品目とは「蒸す」と「揚げる」の差異はありますが、あっさりとした素材にコクのあるソースを組み合わせて楽しむという狙いは二品目も同様です。ドーナツを「サヴァラン風」にした理由は、揚げものであるだけに、あまりくどくならないスイーツに仕上げること。ドーナツをバジルとオリーブオイルのシロップに漬けこむことによって、水分が入り込んで、あっさり、しっとりとした食感に変化していきます。今回はラム酒を使用していますが、お酒がダメという方には、オレンジジュース等に浸しても美味しくできますからぜひお試しください。
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<アプリコット入り蒸しパン>

  • 薄力粉・・・200g
  • ベーキングパウダー・・・5g
  • 塩・・・2g
  • 卵・・・1個
  • グラニュー糖・・・60g
  • 牛乳・・・・・・50~60cc
  • 無塩バター・・・30g
  • クワントロー(※)・・・少々
  • アプリコット・・・適量

<冷製サヴァイヨンソース>

  • 卵黄・・・2個
  • グラニュー糖・・・40g
  • 水・・・10cc
  • キルシュ・・・10cc
  • 白ワイン・・・10cc
  • サラダオイル・・・60cc
  • 八角・・・4個
作り方
アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え

<アプリコット入り蒸しパン>

  • 小麦粉・ベーキングパウダー・塩を合わせてふるいでふっておく。
  • バターを柔らかくし、そこにグラニュー糖を加え、とけるまでホイップをし、卵を加え、牛乳を加え良く混ぜる。
  • そこに【1】をさっくりと混ぜ合わせ、一度ボイルしたアプリコットを加え、クワントロー(※オレンジの皮や葉などで風味をつけたキュラソー)で香りを付け、冷蔵庫で1時間ほど休ませ、型に入れて蒸す。

<冷製サヴァイヨンソース>

  • 鍋にサラダオイル・八角をゆっくりと火にかけ、80℃まで加熱し、そのまま40℃位まで冷ます。
  • 鍋に、卵黄・グラニュー糖・水・キルシュ・白ワインをホイップしながら弱火にかけ「の」の字が書けるまでホイップし、【4】を少しずつつなげ、冷ましてから蒸しパンに合わせる。
アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え
田島シェフのひとこと

「サヴァイヨンソース」は、グラタン等に使われることも多い、口当たりの軽いコクのあるソース。今回の蒸しパンの味覚を芳醇にするという用途以外にも、リンゴや桃、梨などにそのままトッピングするなど、美味しい組み合わせをいくつも発見できる万能型のソースです。

アプリコット入り蒸しパン 冷製サヴァイヨンソース添え
サヴァラン風オリジナルドーナツ バジルオイル&生クリーム添え
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<オリジナルドーナツ>

  • 薄力粉・・・120g
  • 強力粉・・・80g
  • ベーキングパウダー・・・10g
  • 無塩バター・・・40g
  • グラニュー糖・・・60g
  • 卵・・・1個
  • 牛乳・・・50cc

<バジルオイル>

  • バジル・・・2本(※茎を使用)
  • オリーブオイル・・・40cc
  • グラニュー糖・・・50g
  • 水・・・100cc
  • ラム酒・・・50cc

<ホイップクリーム>

  • 生クリーム・・・100cc
  • グラニュー糖・・・30g
作り方
サヴァラン風オリジナルドーナツ バジルオイル&生クリーム添え サヴァラン風オリジナルドーナツ バジルオイル&生クリーム添え サヴァラン風オリジナルドーナツ バジルオイル&生クリーム添え

<オリジナルドーナツ>

  • 薄力粉・強力粉・ベーキングパウダーを合わせてふるいでふっておく。
  • バターにグラニュー糖を合わせ良く混ぜ、そこに卵・牛乳の順で粒が残らないように混ぜ合わせる。(※バター、卵、牛乳は、必ず「常温」で)
  • 【2】に【1】をさっくりと合わせ、冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
  • 【3】の生地を1.5cmの厚さに伸ばし、型で抜き、170℃の油で約4分揚げる。

<バジルオイル>

  • バジルの茎をオリーブオイルにつけ、弱火にかけ80℃まで温め、冷ます。
  • グラニュー糖・水・ラム酒を合わせ、一度沸騰させ冷ましておく。
  • ドーナッツを【6】に漬け込み、【5】のオイルで香りをつけて出来上がり。(※お好みで生クリームを付け合せてください)
サヴァラン風オリジナルドーナツ バジルオイル&生クリーム添え
田島シェフのひとこと

料理の風味づけにも使われるバジルオイルは、欲しい時にすぐに使えるので便利です。マリネやサラダのドレッシング、パスタやピザなど、ちょっと風味を加えたいときに一振りすることをおすすめします。ハーブはバジル以外でもローリエやローズマリー、タイム、セージなどでもお試しください。

サヴァラン風オリジナルドーナツ バジルオイル&生クリーム添え
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