一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第2回】盛夏を爽やかに過ごす、まろやかスイーツ!
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
今回のシフォンケーキのフレーバー「アグリューム」とは何でしょうか?
シフォンケーキはシンプルにホイップクリームと組み合わせて召し上がるのも良いのですが、今回はひと手間加えて、おもてなしレシピに変身させてみました。「アグリューム」とはフランス語で柑橘類のことで、オレンジやレモン、そしてライムなどの果物。シフォンケーキは紅茶や抹茶などお好みのフレーバーにできることも楽しみのひとつですが、盛夏だけに、あえて黒糖やハチミツなどを使用するのではなく、オレンジとレモンの柑橘系のフレーバーにグラニュー糖を組み合わせることで、とても爽やかなシフォンケーキに仕上げてみました。 
ソースには、人参とオリーブオイルを使われていますね?
人参とオレンジなどの柑橘系ジュースとクミンの組み合わせは、フランス料理ではスタンダードなピューレとして使われています。人参の臭みをオレンジで消してフルーティな人参に変化させ、スパイシーなクミンで人参の甘さにメリハリをつけていく・・・。ここにオリーブオイルを組み合わせることで、クリーミィーさが増して一段となめらかな味わいとなり、シンプルなシフォンケーキをワンランク上の芳醇なスイーツに昇華させることができます。
二品目は「パンペルデュ」というメニューですね?
「パンペルデュ」とはフランスでは「フレンチトースト」のことで、本来の語意には“失われた(駄目になった)パン”というような意味がありますが、卵と牛乳に浸して焼きソースを工夫することで、残りものという印象はまったく感じられない一皿になります。今回は、フレンチトーストの上にシェーブルチーズ(※ヤギの乳で作った酸味引き立つチーズ)を乗せて、甘味と酸味のコントラストが楽しめるスイーツに仕上げてみました。にんにくのオイルが、ふたつの対照的な食材を融合して、全体の味覚をまろやかにしていきます。  
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
アグリュームのシフォンケーキ 人参のオリーブオイルソース仕立て
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<シフォンケーキ>

  • 卵黄・・・3個
  • 牛乳・・・40cc
  • レモン汁・・・10cc
  • オレンジ汁・・・20cc
  • サラダ油・・・50cc
  • 薄力粉・・・・・・70g
  • 卵白・・・150g
  • グラニュー糖・・・70g

<人参のオリーブオイルソース>

  • 新人参・・・1本
  • バター・・・30g
  • 水・・・適量
  • オレンジ汁・・・60cc
  • オリーブオイル・・・60cc
  • クミンシード・・・20g
  • 塩・・・適量
  • コショウ・・・適量
作り方
アグリュームのシフォンケーキ 人参のオリーブオイルソース仕立て

<シフォンケーキ>

  • ボールに卵黄・グラニュー糖・牛乳・柑橘類(汁)・サラダ油を良く混ぜ、そこにふるいにかけた薄力粉を混ぜ合わせ、最後にメレンゲ(※泡立てて、よく冷やした卵白とグラニュー糖を合わせたもの)を加え、型に入れて180℃のオーブンで25分~27分程度焼き上げる。

<人参のオリーブオイルソース>

  • 人参は皮をむいて薄くスライスしてバターで柔らかくなるまで炒め、そこへひたひたになるように水を加えて煮ておく。
  • 【2】にオレンジジュースを加え、塩・コショウをしてからミキサーにかけてピューレにしておき、鍋にクミンシードとオリーブオイルを注いでからゆっくりと火にかけ、80℃位を目安に火から外しおく。
  • 【2】と【3】を合わせて味を整えながらソースとし、お好みの量をシフォンケーキにかけて出来上がり。
アグリュームのシフォンケーキ 人参のオリーブオイルソース仕立て
田島シェフのひとこと

シフォンをしっとりふんわりと焼き上げるポイントはいくつかありますが、まず一つは卵黄と砂糖をしっかりと混ぜ、マヨネーズみたいな硬さにすること。二つ目は充分にツノが立つくらいのメレンゲを作ること(※目安はひっくり返しても落ちない程度)。そして温度を180℃位に一定に保つことが何より重要なヒケツとなります。

アグリュームのシフォンケーキ 人参のオリーブオイルソース仕立て
シェーブルチーズのパンペルデュ にんにくオイルソース仕立て
ざいりょう材料(※4人分が目安)
  • フランスパン・・・1/2本(4枚)
  • 牛乳・・・75cc
  • 生クリーム・・・25cc
  • グラニュー糖・・・25g
  • 卵・・・2個
  • シナモンパウダー・・・適宜
  • 塩・・・適宜
  • 無塩バター・・・適量
  • シェーブルチーズ・・・4枚
  • にんにく・・・3片
  • オリーブオイル・・・40cc
  • ハーブ類・・・適量(※付け合わせ用)
作り方
シェーブルチーズのパンペルデュ にんにくオイルソース仕立て
  • 卵・グラニュー糖・生クリーム・牛乳・シナモンパウダー・塩の順に良く混ぜ合わせてから裏ごしして、フランスパンを漬けこむ(※2~3日間)
  • フライパンにバターを加え、180℃を目安にオーブンでふっくらと焼き上げる。
  • 仕上げにシェーブルチーズを乗せて軽く焼き上げる。
  • 鍋ににんにくとオリーブオイルを入れ、ゆっくりと加熱してきつね色にしてから、全体にかけ回して出来上がり。(※付け合わせにハーブ類を散らしてください)
(オーブンを用いない場合は、パンペルデュを半分に切り、フライパンで片面を焼き、返したらアルミホイルで中蓋をして、しっかりと焼きいれます)
オシェーブルチーズのパンペルデュ にんにくオイルソース仕立て
田島シェフのひとこと

この塩シャーベットには、従来のスイーツには無い、今までに味わったことの無い意外性があると思います。ヴァニラオイルソースには汎用性があり、たとえばプリンにかけると滑らかさがグッと増した味つけになりますから、ぜひ一度お試しください。

シェーブルチーズのパンペルデュ にんにくオイルソース仕立て
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