一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第11回】バレンタインも先取りのスイーツ!
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
一品目はお正月にふさわしく、黒豆とチョロギを組み合わせたスイーツですね?
チョロギはお正月ゆかりの食材で、おせち料理においては赤く染め上げて黒豆に添えられることも多い素材ですよね。通常は天ぷらやお吸い物の具に使われることもあります。レシピ名にある“シブースト”(※カスタードクリームにメレンゲを混ぜ合わせたクリームの間にフルーツなどを挟んだものが乗ったタルトやパイのこと)は、そのものが甘露煮のようなもので非常に糖分が高いので、チョロギはあくまでもその濃厚な味わいを和らげるための“箸休め”的な存在と考えていただいて良いでしょう。シブーストは通常のスイーツであればリンゴとか洋ナシを入れること多いのですが、今回はお正月にふさわしく、ぜひ黒豆の甘味とチョロギの酸味の競演をお試しいただければと思います。
植物油には“エクストラヴァージン”を使用されていますね?
一品目のソースに使うオリーブオイルは、バルサミコ酢と合わせて煮詰めるという手法を用いています。これはシブーストの甘味と、それとは対照的なバルサミコ酢の酸味だけが強調されてしまい、スイーツとしての味わいが単調になってしまうことを避けるために、“エクストラヴァージン”の豊かなコクでひとつにまとめあげることを狙いとしているのです。“エクストラヴァージン”がバターのように素材の濃度を上げる役割を果たしながら、なおかつ芳醇な香りを醸し出していくことで、決して飽きることなくスムーズに完食いただけるのではないかと思います。
二品目は、バレンタインが近いことを予感させるメニューになっていますね?
二品目は、チョコの甘味、生姜の辛味、そして赤ワインの渋味を掛け合わせて味わいを複雑化したスイーツです。チョコと生姜の相性は良く、いわゆる“トリュフチョコ”には生姜のコンフィを風味付けに入れたりもしますが、その相性をより強固にするために、赤ワインの“タンニン”の渋味でチョコと生姜を結びつけているのです。生姜に合わせるオリーブオイルは、ここでは香りを立たせるというよりも、濃い目のチョコのまったり感を生姜のフワッとした食感で食していただけるように、赤ワインと同様に、互いの素材の手をつなぐ役割を担ってもらっています。ショコラはできれば高級なものを選んでいただいた方が、スイーツとしてのコクやうま味に差がつきますね。植物油を使ったバレンタインの先取りメニューとしてご紹介させていただきました。
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
黒豆とチョロギのクレームシブースト風 バルサミコ酢とエクストラヴァージン・オリーブオイルのソース
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<黒豆とチョロギのクレームシブースト風>

  • 黒豆・・・80g(※既製品でも可)
  • チョロギ・・・12本(※ビン詰めのもの)
  • 牛乳・・・250cc
  • 無塩バター・・・35g
  • ヴァニラビーンズ・・・1/4本
  • 薄力粉・・・5g
  • コーンスターチ・・・5g
  • グラニュー糖・・・50g
  • 卵黄・・・3個
  • 全卵・・・1個
  • ゼラチン・・・8g

<メレンゲ>

  • 卵白・・・3個
  • グラニュー糖・・・100g

<ソース>

  • バルサミコ酢・・・120cc
  • エクストラヴァージン・オリーブオイル・・・20cc
作り方
黒豆とチョロギのクレームシブースト風 黒豆とチョロギのクレームシブースト風 黒豆とチョロギのクレームシブースト風

<黒豆とチョロギのクレームシブースト風>

  • 鍋に牛乳・バター・ヴァニラビーンズを加え、一度沸騰させ香りを付けておく。
  • ボールに小麦粉・コーンスターチ・グラニュー糖・卵を混ぜ合わせ、白っぽくなるまで撹拌(かくはん)する。
  • [2]に1を静かに混ぜ合わせ、鍋で弱火で加熱しカスタードクリームを作る。
  • 仕上がったら、水でふやかしたゼラチンを加え溶かし冷ます。
  • 冷ましたのち、卵白とグラニュー糖で作ったメレンゲと合わせて、型に黒豆とチョロギを加え、流し固める。

<バルサミコ酢とエクストラヴァージン・オリーブオイルのソース>

  • バルサミコ酢を30cc位まで煮詰め、仕上げにエクストラヴァージン・オリーブオイルをつないでソースとする。
黒豆とチョロギのクレームシブースト風
田島シェフのひとこと

エクストラヴァージンのオリーブオイルは、より香りの高いものを選ぶことで、ソースとして合わせるバルサミコ酢の味わいを広げていくことにもつながります。比率はお好みで変えていただくと良いでしょう。この組み合わせはサラダのドレッシングとしても最高ですよね。

黒豆とチョロギのクレームシブースト風
黒豆とチョロギのクレームシブースト風
ショコラノアールのテリーヌ ジンジャーコンフィオイルと赤ワインソース
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<ショコラノアールのテリーヌ>

  • チョコレート・・・380g
  • 卵黄・・・6個
  • 卵白・・・8個
  • 生クリーム・・・200cc
  • エスプレッソ・・・40cc

<ジンジャーコンフィオイル>

  • 生姜・・・50g
  • 水・・・100cc
  • グラニュー糖・・・50g
  • オリーブオイル・・・50cc

<赤ワインソース>

  • 赤ワイン・・・300cc
  • グラニュー糖・・・100g
  • シナモン・・・1本
  • 黒胡椒・・・10g
作り方
ショコラノアールのテリーヌ ジンジャーコンフィオイルと赤ワインソース ショコラノアールのテリーヌ ジンジャーコンフィオイルと赤ワインソース ショコラノアールのテリーヌ ジンジャーコンフィオイルと赤ワインソース

<ショコラノアールのテリーヌ>

  • ボールに刻んだチョコレートを入れ、湯せんして溶かす。
  • 完全に溶かし熱い状態のまま、卵黄を加え一気に混ぜ合わせる。
  • そこへエスプレッソを入れて混ぜ、少し冷ましてから、角がたつようにホイップした卵白をさっくりと混ぜ合わせる。
  • 最後に、8分立てにホイップした生クリームを混ぜ、型に流す。

<ジンジャーコンフィオイル>

  • 生姜は薄くスライスをして、水・グラニュー糖を合わせ煮詰めていく。水気がなくなったらオリーブオイルを混ぜる。

<赤ワインソース>

  • 素材すべてを合わせ、80cc位になるまで煮詰めてソースとする。
ショコラノアールのテリーヌ ジンジャーコンフィオイルと赤ワインソース
田島シェフのひとこと

チョコレートを湯せんする際には、よく沸騰させて完全に溶かしきらないと、あとから加える卵黄とチョコが上手に乳化しないのでご注意ください。十分に沸騰させることには、卵黄の生臭さをチョコのパワーで殺菌するという意味もあります。

ショコラノアールのテリーヌ ジンジャーコンフィオイルと赤ワインソース

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