一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
“中国に輸出されたブラジル産大豆に毒性の薬品が検出され、中国政府の検疫機関が輸入を差し止めている”との一部メデイアの報道がありました。このため、日本に輸入されているブラジル産大豆についてご心配される方がおられることと思います。
中国の検疫機関がどのような基準をもって輸入差し止めの判断をされたのかうかがい知ることはできませんが、ここで報道されている毒性の薬品とは、大豆の生産農家が種まきに用いる種子の消毒に利用する農薬(殺菌剤)ではないかと海外の報道機関は推察しています。
日本では、輸入農産物に残留する農薬に関しては、食品衛生法に基づきモニタリングなどを通じて国による厳しいチェックが行われ、残留許容量を下回るものだけが輸入を許可される仕組みとなっております。本年になってこれまで輸入されたブラジル産大豆に関し、検疫所のチェックで農薬の残留が問題とされたものはまったくありません。
また、私ども業界におきましても、生産国の農薬使用に関する情報収集に努め、使用が認められない農薬がないことを確認するとともに、業界統一の自主的な分析を行って残留農薬のチェックをしておりますが、これらにおいても問題は生じておりません。
したがいまして、私どもが使用いたしておりますブラジル産大豆について、安全性に関する懸念はまったくないこと申し上げ、ご安心いただきたいと存じます。
日本の消費者の皆様が必要とされる大豆油を供給する上で、ブラジルは重要な供給国です。これの輸入が閉ざされることがあっては、植物油及び大豆ミールの供給責務が果たせないと言っても過言ではありません。
私どもは、今後とも安全で安心できる大豆をブラジルから輸入できるよう細心の注意を払っていく所存でございます。