一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
「オレンジページ2021年4月2日号」に掲載されました!
バリエーション豊富
体にいい植物油をもっと食卓に
太りたくないという理由で控えがちな「油」ですが、じつは良質の油をとることは体を健康に保つのに有効です。
体にいい成分が多く含まれていることで、近年注目度が増している「植物油」。
その健康効果や、おいしく味わうためのレシピをご紹介します。
ひまわり油
ひまわりの種子が原料。くせのない風
味で、コレステロールへのゆるやかな
作用が期待されるオレイン酸、酸化を防ぐといわれているビタミンEを豊富に含んでいます。原料の主産地はフランスなど。
オリーブオイル
生でも加熱でも。幅広い料理に活用
フルーティな香りが特徴で、生食でも加熱調理でもOK。老化の原因物質となる過酸化脂質を生成しにくくし、コレステロールへのゆるやかな作用が期待されるオレイン酸が豊富に含まれます。原料の主産地はスペインなど。
ごま油
ビタミンEなど抗酸化成分が豊富
芳醇な香りと豊かな風味が特徴。オレイン酸やリノール酸をバランスよく含み、抗酸化作用や老化予防効果が期待されるビタミンEやセサミンが豊富。加熱に強いので、幅広い料理に活用できます。原料の主産地はナイジェリアなど。
えごま油
あまに油同様、動脈硬化や血清脂質の改善が期待できるα-リノレン酸が豊富です。酸化しやすいので、サラダなど生食に向いています。
原料の主産地は中国など。
あまに油
動脈硬化や血清脂質の改善が期待できるα‐リノレン酸が豊富に含まれています。酸化しやすいので、加
熱調理より生食向き。原料
の主産地はベルギーなど。
米油
原料の米ぬかに含まれるγ‐オリザノールは抗酸化作用や血中コレステロール低下が期待できます。ビタミンEが豊
富で加熱に強く、オレイン
酸やリノール酸も含みます。
原料の主産地は日本など。
パーム油
世界でもっとも多く生産されている植物油で、オレイン酸が豊富。チョコレートやマーガリン
の原料になります。原
料の主産地はマレーシ
アなど。
菜種油
酸化しにくく、加熱に強い植物油
油は熱で酸化しやすいのですが、菜種油は加熱に強いのが特徴です。風味もいいので、揚げものや炒めものなど、幅広い加熱調理に適しています。コレステロールへのゆるやかな作用が期待されるオレイン酸やα-リノレン酸などの必須脂肪酸を含みます。原料の主産地はカナダなど。
大豆油
ブレンドしてサラダ油などに
うまみとこくがあり、他の植物油とブレンドされてサラダ油や天ぷら油として利用されています。体内で生成できない必須脂肪酸で、コレステロール低下作用が期待されるリノール酸が豊富。動脈硬化の改善に役立つといわれているα-リノレン酸も含みます。原料の主産地はアメリカなど。
コーン油
菜種油同様、加熱に強いのが特徴。風味がよく、抗酸化作用があるといわれ
るビタミンEや、コレステロー
ル低下作用が期待されるリノー
ル酸が豊富。原料の主産地はア
メリカなど。
紅花油
紅花の種子が原料で、ビタミンEを多く含み、コレステロールにゆるやかに作用するといわれるオレイン酸も豊富。
原料の主産地はアメリカなど。
綿実油
綿をとったあとの綿花の種子から作られる植物油。独特のこくと風味があり
ます。ビタミンEやリノール酸
が豊富に含まれます。原料の主
産地はアメリカなど。
植物油には健康効果が高い不飽和脂肪酸が豊富です
「脂質は体にとって大切な栄養素の一つ。体を動かすエネルギー源になったり、生体膜や血液の成分になったり、脂溶性ビタミンの吸収に使われます」と管理栄養士の宮坂早智さんは言います。
「脂質には〈飽和脂肪酸〉と〈不飽和脂肪酸〉があります。飽和脂肪酸は肉の脂身やバターなど動物性の油脂に多く含まれていて、おもにエネルギー源になります。一方、不飽和脂肪酸は植物油や魚の油に多く含まれていて、細胞膜の大きな構成成分です。血液中の余分なコレステロールを低下させるといわれているなど、健康効果の高さで注目を集めています」と宮坂さんは解説。
さらに、不飽和脂肪酸は、体内で生成できず食事からの摂取が必要な必須脂肪酸や、ビタミンEなど、体にとって大切な成分も含まれています。
日本で消費されている植物油はじつに多彩。それぞれの特徴を知り、使い分けるなどして、もっと日々の食生活に取り入れましょう。
植物油で春色メニュー
4種類の植物油と春が旬の食材を組み合わせた、
3つのレシピをご紹介します。
レモンを加えてオイル漬けにすることで、
鶏胸肉をしっとり柔らかく焼き上げます。
鶏胸肉のオイルマリネ焼き
(1人分367kcal、塩分1.6ɡ)
淡泊なさわらを加熱に強い大豆油で揚げた一品。
外はサクサク、中は柔らかで美味。
さわらのから揚げ
※170〜180℃。乾いた菜箸の先を底に当てると、細かい泡がシュワシュワッとまっすぐ出る程度。
春の柔らかなかぶを菜種油で焼き、ごま油であえて。
かぶの葉に豊富なβ-カロテンは油との相性良好。
かぶの炒めナムル
(1人分94kcal、塩分1.0ɡ)