一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

植物油の栄養について

6.日本人の栄養摂取状況

国民健康・栄養調査結果より、脂質摂取に関する数値について次に紹介します。

1 見える油と見えない油

表―5 にあるように、見えない油、すなわち各食材の中に含まれている脂質は全摂取脂質の4分の3にも相当し、見える油、即ち調理に使用する油脂製品からの油の割合はわずか4分の1に過ぎません。脂質摂取量を考える場合、「油の使用量を減らそう」など往々にして『見える油』だけを対象に考えがちですが、この『見えない油』にこそ注意しなければなりません。なお、食用植物油それ自体が直接的に摂取される量は1日7.8グラムとわずかで、過去何年もこのような状態が続いています。

2 同調査結果から推定した脂肪酸組成

表―6 の下段は各食品ごとにその含有脂肪の脂肪酸組成を推定し、摂取状況としてまとめたものです。2010年(平成22年)と15年前の1995年を比較すると、平均的な脂質摂取量は減っていますが、植物性油脂と動物性油脂の摂取バランスは適当といわれる1:1の比率が維持され(表―5)、また、脂肪酸組成も安定的に推移しております(表―6)。

表5
表6

3 まとめ

脂の乗った旬の材料や霜降り肉、油を用いた料理はおいしく感じます。一方、油はエネルギーが多く肥満につながると言うのが一般的な受け止め方でしょう。ところが脂肪には単にエネルギー源としての機能だけでなく、種々生理活性があることが確認されてきました。しかし脂肪はやはり食品であり、薬ではありません。少な過ぎや多過ぎを避け、日本人の平均値的な摂取量に近づけるように考え、日常の食生活が楽しくなるように使う・食べることが大切です。油脂の栄養効果について極端な一面のみをとらえて過度な期待を持つことや、過度に忌避することは共に好ましいことではありません。

前のページへ