一般社団法人 日本植物油協会 社団法人日本植物油協会は、日本で植物油を生産している企業で構成している非営利の業界団体です。

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植物油の道

油粕(ミール)の利用

 製油業というと油の製造業と理解されることが一般的です。そのことは誤りではないのですが、植物体から油分を搾油した油粕(ミール)は、利用用途の広い有効な生産物になります。特に、大豆ミールは高品質のたんぱく質を含む物質であることから、飼料を中心に幅広い用途に利用されています。国際的には、主として大豆搾油業をクラッシャー(Crusher)と称していますが、その意味は、大豆をクラッシュ(破砕)して、油とミールという有効成分を製造することにあります。特に、大豆の場合には油分が20%程度であり、生産物の過半はミールとなるため、大豆搾油はミール需要に適合するように行われるのが普通になっています。

 現在、日本で大量に発生するミールは、大豆ミールと菜種ミールですので、ここでは、この2つのミールについてご紹介しましょう。

(1)ミールの供給

 ミールの生産量は、大豆では総重量のおよそ75~77%、菜種では54~56%となります。図24は、大豆及び菜種ミールの生産量を示しています。ミールの生産量は、当然、大豆と菜種の搾油量に比例して動きます。

図24 日本の大豆及び菜種ミール生産量の推移
(単位:千トン)
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資料:農林水産省「油糧生産実績調査」

 大豆ミールの需要量は大きく、国内生産量だけでは充足できません。このため、いまでは大量の大豆ミールが輸入されており、2010年から輸入量が国内生産量を上回るようになりました。

図25 日本の大豆ミールの供給量の推移
(単位:千トン)
zu25

資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「貿易統計」

(2)ミールの用途別需要

 大豆ミールの利用用途を正確に把握することはできませんが、良質のたんぱく質を40%以上含むことから、家畜に給餌する配合飼料を構成する成分として、とうもろこしに次いで大量に使用されています。配合飼料に利用される割合は、ミールの価格によって変動がありますが、概ね配合飼料生産量の12%前後で推移してきました。2008年の国際的な大豆価格の高騰後大豆ミールの割高感が定着し、配合飼料への配合率が低下する動きが見られましたが、近年、また、12%前後で推移しています。飼料以外では、植物蛋白食品、醸造用(味噌、醤油)などにも利用され、更に発酵や分解工程を経て調味料、乳製品の増量剤など幅広い用途があります。

 菜種ミールも飼料用に利用されるのが最も多く、そのほかには有機肥料などに用いられます。

 こうしてみると、植物油製造業とは原材料である油糧種子を油とミールに分離し、植物体の持つ可能性を余すことなく利用している産業であると言うことができるのではないでしょうか。

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