一般社団法人 日本植物油協会 社団法人日本植物油協会は、日本で植物油を生産している企業で構成している非営利の業界団体です。

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植物油の道

3.植物油の消費

(1)植物油の消費量の把握

 「○○国の植物油の食用消費に関する統計を知りたい」。よく、こんなお問い合わせをいただきます。しかし、家計における購入量など特定の事項を除き、消費に関するマクロの統計はないのが現実です。

 植物油の消費量は、理論的には次の算式で表すことができます。

植物油の生産量+輸入量―輸出量±在庫量の増減=植物油の消費量

 この式は、消費量というより市場に出回ったと推定される総供給量を意味しています。日本を例にとれば、生産量と在庫量は農林水産省が製油企業からの報告に基づき取りまとめる統計、輸出入量は財務省の通関統計で求められますが、流通段階の在庫量は把握されていません。

 また、この式で得られる数量には、直接食用とされるものだけではなく、食品加工業など他の産業部門の原料として供給される数量が含まれます。例えば、マレーシアのパーム油は油として食用に消費・輸出されるほか、パーム油を更に加工して食品や脂肪酸が生産され、輸出されています。しかし、上記の計算式ではこれらもすべて植物油の消費量に含まれることになります。したがって、消費量というより国内総供給量であり、国内処理量とする表現が適切かもしれませんが、ここでは、消費量という言葉で進めていきます。

 生産量を超える消費はあり得ないことから、油種別の消費量の推移は生産量の推移と並行します。ここでは、主に食用に利用される11種の植物油(13の油種から工業用利用が主なあまに油、ひまし油を除く)について国・地域別の消費状況をご紹介しましょう。

 図9は、11種の植物油全体の国・地域別の消費比率の変化を示しています。2001/02年度においては、消費量の多い上位12か国が、世界で消費される植物油の半分を消費していましたが、2014/15年にはこれらの国・地域の消費量が拡大し、全体の70%以上を消費するに至っています。図9は主に食用に利用される植物油を対象としているので、総消費量は概ね人口に比例することとなります。中国、インドなど多くの人口を抱える国で一人当たり消費量がわずかでも増加すると、国全体では膨大な消費量になることが明示されています。このなかで、人口の少ないマレーシアが消費上位国になっていますが、消費量にはパーム油加工産業における使用量を含んでいることによるものです。

図9 植物油消費の国・地域別比率の変化
(内側:2001/02年、外側:2014/15年)
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資料:図1に同じ
注:総消費量は、2001/02年97,402千トン、2014/15年 175,183千トンとなっている。

 次に、これらの主な国・地域でどのような植物油が消費されているかを図10に示しました。油糧原料の生産国では、自国産の原料から生産された植物油を最も多く消費していることが分かります。アメリカ、ブラジル、アルゼンチンでは大豆油が、EUでは菜種油、ひまわり油、オリーブ油が、マレーシアとインドネシアではパーム油が、それぞれ最も多く消費されています。これに対し、中国は国産の原料と輸入原料・油脂を合わせて多様な油種が消費されており、輸入への依存度の高い日本、メキシコにおいても多様な油種が消費されています。一方、アルゼンチンはロシアと並ぶひまわりの生産国であり、2001/02年度には最も多く利用される植物油はひまわり油でしたが、大豆生産の増加に伴って、最近では大豆油が最も多く消費される油種となり油脂の消費構造に大きい変化が生じました。  

図10 主な国の油種別消費量(2014/15年)
(単位:千トン)
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資料:図1に同じ

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