一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

verita×日本植物油協会

プロ選ぶには訳がある

-植物油の美味しさ大発見-

~シェフ御用達の植物油のおいしい魔法~
Vol.4 「エイジングケアに役立つ植物油パワー」Les Grands Arbres(東京・広尾)

Vol.4 「エイジングケアに役立つ植物油パワー」Les Grands Arbres(東京・広尾)

世界的な健康志向のなか、エイジングケアと植物油の関係にも注目が集まっている。油=揚げ物というイメージは払拭されつつあり、料理を美味しくするための調味料として欠かせない存在となっていることに加え、美容にも役立つ油の栄養価が注目されているからだ。 veritaでは、そんな植物油の知られざる実力に迫るべく、プロの料理人や専門家による植物油を使ったクリエイションを、全5回に渡って紹介していく。

Vol.04は、外観のツリーハウスが印象的なカフェ「Les Grands Arbres(レ・グラン・ザルブル)」。ボタニカルな雰囲気のなか、ヘルスコンシャスな食事が楽しめる。ちなみに、その秘密基地のようなツリーハウスには実際に入ることも可能で、広尾界隈の子連れのファミリーや健康志向の高い女性たちに人気だ。今回は、「食から始めるエイジングケア」をテーマに活動している料理研究家で、同店のメニューをプロデュースした関口絢子さんに、植物油に特化したメニューの紹介をお願いするとともに、家庭料理で植物油を活かすポイントを尋ねた。

profile

料理研究家/管理栄養士/インナービューティスペシャリスト 関口絢子

料理研究家/管理栄養士/インナービューティスペシャリスト
関口絢子

食べ物と栄養の知識が生きた、美と健康に関するお悩み解消レシピが人気。登録者20万人のYouTubeチャンネル「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」では、食を通じて世の中を健康に!をモットーに、すぐに実践できるお役立ち情報を発信している。近著に『春夏秋冬 疲れ取りごはん』(KADOKAWA)など。日本抗加齢医学会認定 抗加齢指導士、米国栄養カウンセラー。

インスタグラム:ayakowellness
ブログ:
https://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/

美容・健康感度の高い女性たちに人気の広尾のツリーカフェへ。

広尾駅から徒歩1、2分足らずの場所に、ツリーハウスのその店はある。シンボルツリーである大きなタブの木とたくさんの緑に囲まれ、まるでそこだけ世界が違うかのようだ。詳しいいきさつは定かではないが、近くに長く住む人の話によると、タブの木は50年以上前から存在していて、この建物はそのタブの木に寄り添うように設計されたものだという。

現在、1、2階はフラワーショップ「フルール・ユニヴェセール」。3階と屋上のテラスが、フラワーショップと同じ会社(ユニバーサル園芸社)が運営するカフェ「レ・グラン・ザルブル」となっている。

「レ・グラン・ザルブル」とは、フランス語で、大きな木という意を持つ。都会のなかでグリーンに囲まれて食事ができる場所は貴重だ。10余年前、ユニバーサル園芸社の当時の社長(現会長)が「たくさんの緑に囲まれて、ヘルスコンシャスな食事をいただき心身ともに癒されてほしい──。」そんな思いから、かつて外国人が住んでいたというこの建物を手に入れてオープンした。同社が手がける初めてのカフェ形態となる。カフェのメニューは、料理研究家の関口絢子氏にプロデュースを依頼した。同店のメニューは、見た目も美しく、食べるとカラダの喜ぶ声が聞こえてきそうなものばかり。そして、植物油を印象的に使っている料理も多い。プロデュースを担当した関口さんに植物油の魅力について話を聞いた。

関口さん:植物油はリノール酸とαリノレン酸という、必須脂肪酸をとるための供給源です。血液や血管の健康、また脳や心の健康にも大きな関わりがあるともされています。またオリーブ油や米油などオレイン酸が多い植物油は熱に強く、調理に向いています。植物油はバランス(質)と量などを意識することで、美容と健康に大きく役立つ食品だと考えています。

関口さん:「レ・グラン・ザルブル」のメニュー開発では、植物と癒しということで、心と体に優しいメニューを心がけています。何より空間にマッチするメニューのイメージを大切にしました。たとえば、「おまかせヘルシーデリプレート」は、1日に必要な栄養の半分をこの一皿で補うことができるメニューとして考案しました。

高タンパクで低カロリーなひよこ豆を植物油でアレンジ。

たっぷりのオリーブオイルを使用した「ひよこ豆のフムスプレート」も、ベジタリアンの方に人気のメニューだ。

関口さん:健康志向の方のために豆料理を取り入れたいと考えて作ったメニューです。日本でもすっかりおなじみになったひよこ豆に、オリーブオイルやゴマペーストなどを入れてペースト状に仕上げた中近東の料理フムスと、サラダ、フォカッチャのプレートにしました。

オリーブオイルは、提供する直前にたっぷりとフムスにかける。

関口さん:美容と健康に良いオリーブオイルは、味の面でもフルーティで香りよく料理が華やかに仕上がるためたっぷり使用しています。これに、たくさんのサラダと盛り合わせ、さらにヘルシー感を表現しました。

ヘルシー感とリッチな味わいをエゴマ油が引き立てたクリームパスタ。

「キノコと玉葱の柚子胡椒クリームパスタ」は、エゴマ油を使用した逸品だ。

関口さん:柚子胡椒を使った、クリーム系のパスタです。オリジナリティと馴染みやすさを大切にしながら、あの店のあの味と印象づけられる斬新さを盛り込みました。柚子胡椒の酸味がピリッと爽やかで、歯ごたえがあり、辛味をマイルドにするキノコと絶妙にマッチします。動物性のクリームソースはリッチ感がありますが、よりカラダに配慮したメニューにしたいということから、仕上げには栄養価の高いエゴマ油をちょい足ししています。

まろやかなエゴマ油が加わることで、クリームソースのリッチさと柚子胡椒の和風の辛み、そのほかの素材の味を邪魔することなく、ヘルシーさもご馳走感も格段にパワーアップする。

マイルドでクセのない菜種油でサラダもあっさりやさしい味わいに。

ボリュームたっぷりの「チキンの香草パン粉焼きプレート」は男性にも人気だ。こちらは、3種のデリの中から1種を選ぶことができる。今回は、「キャロットラペ」をピックアップ。仕上げに菜種油を使っている。

関口さん:ニンジンの細切りと刻んだくるみを、オリジナルビネガードレッシングで和えたサラダは、お皿に彩りを加えてくれるメニューです。生のニンジンの甘さと、シュレットしたニンジンの歯触りが楽しめるように仕上げました。マイルドでクセがない菜種油は、あっさりとやさしい味わいになるのが特徴です。菜種油の代わりにオリーブオイルで仕上げても美味しいですよ。オリーブ油の場合は特有の香りがプラスされることで、より華やかな味わいになります。

このキャロットラペは、ぜひ自宅でオリーブオイルと菜種油で作り比べてみてほしい。菜種油を使ったキャロットラペは、ニンジンのしゃきしゃき感を活かしながら、きりっとした酸味を丸い味わいに整えているのが印象的だ。プレートに添えられたごはんは、五穀米にもち麦と黒米を合わせたもの。噛めば噛むほど口内に自然な甘みが広がり、カラダが滋味深い美味しさで満たされていくのが感じられる。

さまざまな植物油が手に入る昨今だが、関口さんはどのように植物油を美容と健康に活用しているのだろうか。あわせて私たちが家庭でも実践できるワンポイントアドバイスも尋ねた。

関口さん:私は、家庭では4種類の植物油を使い分けています。調理には米油、オリーブオイル、健康を意識して亜麻仁油、香りを楽しむゴマ油です。亜麻仁油は飲み物に入れてサプリのような感覚で取り入れています。ゴマ油は米油とブレンドすると料理にコクが出て、より一層美味しくなりますよ。また、オリーブオイルには、洋風のイメージがありますが、刺身に塩とオリーブオイル、醤油とオリーブオイルで合わせたり、和え物や冷奴、お浸しにかけたりするなど、和のテイストでも新しい美味しさに出会うことができます。

晴れた日にはウッドデッキのガーデンテラスが解放される。暖かい季節になれば、ここでフムスとフォカッチャをいただくのも気持ち良さそうだ。なお、テラス席は犬の同伴も可能。ちなみに、今回は取材していないが、素材の味が感じられるスイーツも人気が高い。美容と健康志向は表裏一体。底知れぬポテンシャルを持つ植物油を「食から始めるエイジングケア」に活かすことで、日々の食生活がより美味しく、有意義となるはずだ。

文・長谷川あや、写真・中庭愉生
取材協力:一般社団法人 日本植物油協会

restaurant information

レ・グラン・ザルブル(Les Grands Arbres)

住所:東京都港区南麻布5-15-11 3F・屋上
Tel:03-5791-1212
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定期
席数:36席(3階20席、4階テラス席16席)
※建物の1・2Fは花屋、3F・屋上がカフェとなり、営業時間は異なる。

※コロナ禍により営業時間やメニューに変更がある可能性あり。事前に直接店舗に要問合せ。