一般社団法人 日本植物油協会 社団法人日本植物油協会は、日本で植物油を生産している企業で構成している非営利の業界団体です。

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植物油サロン

食に経験や造詣が深い著名人、食に係わるプロフェッショナル、植物油業界関係者などの方々に、自らの経験や体験をベースに、
食事、食材、健康、栄養、そして植物油にまつわるさまざまな思い出や持論を自由に語っていただきます。

第9回 妻・母・キャスターとして活躍するパワーのもとは健康 キャスター 木場弘子さん

食べることの大切さ

キャスター 木場弘子さん

昨年、食育基本法が制定されてから、「食育」の仕事に多くかかわるようになりました。戦後まもない食糧不足のころではなく、飽食の時代になぜ食育なのか。糖尿病の人は戦後60年間で100倍近くに増えたそうです。予備軍を入れると、驚くべき数字になります。糖尿病ばかりでなく、生活習慣病も子どもの間で広がっています。

若い人たちの食生活が気になって、週に1回講義に通っている千葉大学の学生さんにアンケート調査をしたところ、二極化が進んでいることがわかりました。自宅から通学している学生は、3食ともきちんとした食生活をしているのに対し、一人暮らしの人は約2割が朝食を抜き、1日1食のケースや夕食にチョコレートを食べている人までいました。お菓子がご飯代わりになってるんですね。

意識して体によいものを摂るようになったのは、TBSに入社してからです。最初の仕事は朝6時のニュース番組が週3回、夕方6時のニュース番組が週2回。半年後、夜の11時半の番組も受け持つことになり、生活は非常に不規則になりました。フリーになった現在でも、多いときで1年間に100回以上新幹線や飛行機に乗って仕事に行きますが、健康、とくに食事には気をつけています。

実は食に関して失敗したことがあるんです。「植物油はダイエットの天敵」という風説を信じて、産後間もないころに“油抜き”をしました。サラダドレッシングはノンオイル、油のいらないテフロン加工の鍋で炒め物と徹底したら、2週間ほどで地肌はカサカサに。そのとき、人間には適度な油が必要だということを身をもって感じました。同時に情報は鵜呑みにせず、しっかり自分で考え、選択することも学びました。

ノルウェーでの異文化体験

父の仕事の都合で、生まれてから10年の間に7カ所に移り住みました。中でも印象深いのは、小学2年生のとき1年間滞在したノルウェーのオスロ。帰国子女なんて言葉はまだないころのことです。親の転勤で各国から来た子ばかりのブリティッシュスクールに通いましたが、会話はすべて英語なので言葉が通じません。

母に大好きな海苔のおにぎりをつくってもらい、意気揚々と学校に持って行ったときのこと。クラスメートが黒いものを見て、「なにこれ?気持ち悪い」といった反応に傷つきました。翌日から固くてまずくてもサンドウィッチを持参しました。その一方で、アフリカの男の子のお弁当は、生のニンジン1本だけ。それをポリポリ食べるのを見て驚きました。そのことを親にいうと、「生まれ育った環境も文化も違うんだから、それを非難してはいけない」と、たしなめられました。

8歳でしたけれど、生活習慣や考え方、文化の違いをはっきり感じた1年でした。異文化を否定してはいけないことを食を通じて学んだ気がします。日本では人と少しでも違うとイジメの対象になりますが、向こうではもともと人は違うので、わかり合おうとしたり、共通点を見いだそうと努めます。内気だった私は日本に帰ってから、人見知りをしなくなりました。

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食卓を囲むコミュニケーション

夫は食に関してはうるさくありません。出した物は何でも食べます。プロ野球選手というのは、遠征のために半分は家にいないので、食生活すべてを管理することはできません。外では高カロリーな焼き肉などを食べているようなので、家では粗食でした。胃に負担をかけない野菜や魚ばかりですね。

引退後、夫は大リーグの解説などの仕事をしていますが、放送があるときは朝5時とか6時に帰ってきます。すぐに寝なさいと、息子ともども言うんですが、そのまま起きつづけて3人でいっしょに朝食をとります。食事というのは、単に物を食べることだけではありませんね。食卓を囲むコミュニケーションというのは、大切なことだと思います。

生まれてから1カ月間、集中治療室に入っていたこともある息子は育ち盛りです。「食べること命」といった感じで、おいしい物を見つけると「ヤッター!」。幼稚園のころから、料理の手伝いをすることが大好きです。ほとんど好き嫌いがなく、よく食べます。私も子どもも食べ物に対する欲は深いですから、取り合いになることもあるんです。いまは少年野球と空手に熱中しています。スポーツをしているので、3食では足らず午後4時ころにおにぎりやふかしたお芋を出しています。

わが家では、「言わなくてもわかるでしょ」ということがありません。言いたいこと、相手にやってほしいことは、はっきり言葉で伝えています。食事のときは「いただきます」「おいしかった」。親しき仲にも礼儀ありといいますが、結婚当初からの夫のこだわりです。

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アイデア勝負の健康メニュー

母の薄味で育ったせいか、いまもって辛い食べ物は苦手です。夫も同様で、二人とも甘口のカレーが好み。それに対して息子はもっと辛いカレーを要求します。しかも夫婦ともお酒が飲めないのに、彼の好物は塩辛のように酒の肴になるようなものばかり。きっと酒飲みになるんでしょうね。

白いゴマ油、オリーブオイル、健康系の植物油など4種類の植物油を常備しています。ときどきヒマワリ油を購入することもあります。パスタにはバージンオリーブ油、風味づけにごま油と、使い分けています。仕事を通じて、悪玉コレステロールを減らす植物油があることを知り、驚きました。もっとそんな食に関する有意義な情報を伝えたいですね。

この夏ヒットした料理は、鶏のささみに梅干しをのばしてシソとともに巻き込んで揚げたもの。油で揚げることで酸味が抑えられ、さっぱりした味わいになりました。酸っぱいものが苦手の夫のために考えたメニューです。もう一つ「マグロねばねば丼」も人気でした。安い赤身のマグロを利用して、納豆、長芋、キムチ、オクラを混ぜてつくります。脂身が少ないマグロをタレに漬けるとき、サラダ油をほんのちょっと加えて、コクを出すのがポイント。健康的で安くて、おいしいと、食卓で恩着せがましく自慢するんです。

プロフィール 奥田宣男

木場 弘子(きば ひろこ)

キャスター

1964年、岡山市生まれ。千葉県出身。
千葉大学教育学部を卒業後、1987年、TBSにアナウンサーとして入社。
在局中はスポーツキャスターとして活躍し、『筑紫哲也ニュース23』など多数のスポーツ番組を担当。女性スポーツキャスターの草分けに。

1992年、プロ野球与田剛投手(当時中日、現在NHK解説者)との結婚を機にフリーランスに。現在は妻、母、キャスターの三役をこなす存在として、テレビ出演、司会、コーディネーター、講演や執筆活動など多忙な日々を過ごす。最近は「教育・子育て」に関わる活動が多く、2001年より千葉大学教育学部非常勤講師に就任。また、同年、千葉県浦安市の教育委員にも就任した。

2005年7月より経済産業大臣の諮問機関総合資源エネルギー調査会原子力部会の審議委員に就任。小泉政権1周年の特集記事では小泉総理へのインタビュアーを務めた。 2006年4月に千葉大学教育学部初の特命教授に就任した。

著書に「子連れキャスター走る!」(中央公論新社)があるほか、「本音のコラム」(東京新聞朝刊特報面・毎週木曜日掲載)、「木場弘子がゆく 知りたい!エネルギー最前線」(週刊新潮)、「木場弘子のMY親学」(名古屋市教育委員会ホームページ)などを執筆。

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