●実証された食生活改善による老化の遅延
図9は,先に述べた介入研究における血清アルブミンの変化量と、介入期間中の加齢に伴う握力の低下量との関係を示しています。地域集団は、多様な価値観をもつ個人で構成されています。介入プログラムに積極的に参加して食品摂取習慣を変えて栄養状態を改善しようとする高齢者がいる一方で、社会の風潮に身を任せる高齢者もいます。
図9に示した結果は、介入を行った集団内の介入効果の程度ごとに老化の速度を比較するもので、老化の遅れを確認するうえで欠かせない分析となります。男女ともに血清アルブミンの増加量の大きい高齢者ほど握力低下量が少ないことがわかります。栄養改善できた高齢者ほど老化による筋力低下が予防できている証拠です。健康長寿を実現する食生活の手立てがはっきりしました。
【 図9 介入による血清アルブミンの変化と握力低下の関係 】
|