3.新しい脂質所要量の理解
(4) 市民への啓蒙
栄養所要量に関しては、それを一般市民に正しく理解してもらう必要がある。研究者は、ますます輻輳する雑多な情報の中から真実を語るものだけを正しく選択し、学会と産業界との情報交換を密にして、現時点での最新で確実な知見を誤りなく伝えるよう努めなければならない。栄養学に裏付けされた取り組みがこの問題に応えるために必須の要件であることは言を待たない。そして、所要量はあくまでも個人の所要量を示すものではないことを知っておくことが大切である。ただ、わが国の所要量は最終的には食糧の需給、日常の食生活での
実践性などの現実的な背景を考慮した上で決められていることも知っておく必要がある。これは、科学的事実だけでは所要量は決められないことを物語る一面であろう。
植物油に対する一般市民の関心が深いことからも、植物油業界の役割は大きい。そのためにも、誤った脂質栄養情報に踊らされないよう、産学の対等な協力が必要であろう。
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