ここまで、こめ油の特徴を整理してきました。しかし、スーパーなどでこめ油を見つけることはなかなか難しいものです。後で述べますが、生産量が少ない上に、優れた特徴から食品の加工に用いられることが多いため家庭用商品が少なくなり、消費者の皆様の目に触れにくくなっています。
食品の加工に多く用いられるのは、こめ油が有する特有の風味と安定性が評価されていることによるものです。
例えば、揚げせんべい。お米がでんぷん質を主とする米粉とこめ油に分かれ、米粉で作られたせんべいをこめ油で揚げると、香り高い揚げせんべいになります。風味だけではなく、加熱されても酸化に強いという特徴で、せんべいの品質が長く保持できるという特徴があります。同じ理由で、ポテトチップスやかりんとうなどの揚菓子や即席麺などに広く使用されています。さつま揚げにも独特の風味が加わり、ひと味違ったものになります。
地域でとれたものを地域で利用するということで、学校給食にも人気があります。
最近では、会員企業では家庭用にも力を入れています。決して多くはありませんが、スーパーの棚で気を付けて探していただくと、こめ油を発見することができます。
食べ物だけではなく、化粧品の基剤や保湿剤にもこめ油が利用され、こめ油の製造過程で副産物として発生するワックス分は、インク、ろうそく、リップグロスなどの材料に用いられています。まさに、お米の総合利用ということができますね。
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