油糧種子の需給に不安材料 ― 主要産地を襲う異常高温と乾燥もしくは多雨 ―
2.逼迫基調が強まるEUの菜種需給

(1)オーストラリアの菜種は回復

 2006/07年の菜種の国際需給に大きい影響を及ぼしたのはオーストラリアの大減産でした。

 同国の菜種生産量はそれほど大きいものではありませんが、その6割程度が輸出に振り向けられ、国際市場ではカナダに次ぐ存在になっています。2006年に同国は未曾有の干ばつに襲われ、菜種の生産量は200/06年の144万トンから51万トンへと減少し、輸出量が激減する結果となりました。菜種の国際価格の高騰は、バイオ燃料向け需要の増加とオーストラリアの減産による需給の逼迫が大きい要因でした。

 今年の生産が気になるところですが、既に播種を終え、これまでのところ初期の生育は順調と伝えられています。オーストラリア菜種協議会(AOF)は150万トンの生産が期待できるとしていますが、これは、今後も天候が順調であることを前提としています。

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