中国植物油業者協会は2004年12月31日現在の調査で、大豆圧搾能力が1日当たり200トン以上である企業が169社、年間の大豆圧搾能力は7,000万トン、このうち、1日当たり圧搾能力が1,000トン以上の企業は90社で、年間の圧搾能力が5,920万トンという驚くべき数字を公開しました。
その後の動静についての正確な調査はありませんが、現時点における年間大豆圧搾能力は8,500万トンであると推測しています。この10年余り、過熱気味であった中国海岸部への製油資本の進出は漸く冷え始めたとされていますが、わずか2年間で更に1,500万トンの能力拡大が行われました。日本の1年間の大豆圧搾数量は300万トンですから、その5倍に相当する能力が拡大されたことになります。
また、8,500万トンという能力は、アメリカで1年間に生産される大豆の全てを圧搾することができるという途方もない規模で、中国の製油業界は世界最大の圧搾能力を備えた産業となりました。
しかし、2006年の大豆輸入量は2,800万トン余りで、国内生産1,650万トンを加えても生産能力に対して大幅に不足しており、過剰設備の状態にあります。このため、適正操業ができず、原料の争奪、市場での競争の激化、小規模企業の倒産等が生じ、早くも業界の構造再編が俎上に上がっていることが報告されました。もっとも、8,500万トンの能力がフルに稼働すれば、世界はたちまち大豆不足に見舞われることになりかねません。
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