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油糧種子の国際需給がかつてない緩和状態にあるものの、価格は堅調な状態が続いています。
2年前には、アメリカの大豆生産が前年より一挙に1,000万トン近く減少したことを受けて、シカゴ市場の大豆価格は上昇を続け、一時期1ブッシェル当たり10ドルという天井相場に達しました。その後、アメリカの大豆生産の回復により需給が安定するにつれて価格は次第に下がってきましたが、この1年余りは1ブッシェル当たり6ドル前後にとどまっています。
価格が1ブッシェル当たり4.5ドル前後であった2000~2003年頃のアメリカ産大豆の期末在庫率(1年間の需要量に対する在庫量の比率)は7~8%という低い水準にありました。これに対し、2005/06年末の在庫率は20%という高い水準が見込まれているにもかかわらず、価格は数年前よりかなり高い水準に張りつき、最近では上昇の気配すら見せています。
その背景には、上述した植物油需要の増加に対する市場の強い期待感があります。
【 図2 大豆、菜種の国際価格推移 】
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