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メインの議題である2006年の植物油需給見通しは、前年に比べて大きい変動はないだろうというものでした(表1参照)。
ところで、表1には“可食油”という言葉が出てきます。文字が意味するとおり「食べられる油」ということで、脚注に記された油を総称しますが、この中にはパーム油やオリーブ油は含まれていません。これは、パーム油やオリーブ油が食用にはあまり利用されていなかったころにできた概念で、議論や統計の継続性を保つため、いまでもこの用語が用いられています。
この可食油の需要は、概ね前年並みと見込まれています。我が国の人口が減少に転じ、人口構成の高齢化は更に進むことになります。これらは、食料の国内消費量が減少することを示す指標ですが、短期的には大きい影響がないとの判断によるものです。
このように需要が安定する中で、国内の植物油生産もほぼ安定したものになると見込まれています。また、急速に増加している植物油の輸入ですが、昨年の後半からは前年同期をやや下回る状況があり、これも安定した状態に移りつつあるという判断が示されました。
したがって、需給の数値だけを見れば、2006年の植物油市場は穏やかな状況にあるということになります。
【 表1 2006年の可食油需給見通し 】
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