最も多く消費される植物油はパーム油

 油脂の種類別消費に関する公式の統計資料がないため、油糧種子業界の全国団体であるオーストラリア油糧種子連盟(AOF)から消費の動向を聞きました。オーストラリア国内で1年間に消費される推計油脂量は49万トン。そのうちパーム油が最も多く(全体の24.5%)、次にカノーラ油(同23.5%)、牛脂(同20.4%)、ヒマワリ油(同10.2%)、綿実油(同6.7%)と続いています。カノーラ油、綿実油、牛脂はほとんどが国産ですが、それ以外の油は輸入に依存しています。AOFによると、オーストラリアでも健康志向が高まり、コレステロールを増加させるとされる飽和脂肪酸を多く含む固形状植物油や動物脂のシェアが減少し、コレステロールを低下ないし増加を抑制する不飽和脂肪酸を多く含む液状植物油のシェアが拡大する傾向にあります。また、液状植物油の中でも、カノーラの生産拡大を背景にカノーラ油の消費量が増加する一方、大豆油やヒマワリ油の消費量が減少しています。
 オリーブ油消費の増加も顕著で、量的にはまだ少ないものの、この5年間で2倍程度伸びていると推計されています(表2)。
表2 種類別に見た油脂の消費量

(単位:トン、%)
  最近の消費量
シェア 備  考
ココナッツ油
パーム油
牛脂
液状植物油

  カノーラ油
  ひまわり油
  大豆油
  綿実油
  その他
オリーブ油
15,000
120,000
100,000
225,000

115,000
50,000
9,000
33,000
18,000
30,000
3.1
24.5
20.4
45.9

23.5
10.2
1.8
6.7
3.6
6.1
ほとんど輸入
ほとんど輸入
ほとんど国産

ほとんど国産
1.2~1.5万トンが輸入
ほとんど輸入
ほとんど国産

ほとんど輸入だが、国産が増加
合計 490,000 100.0  
資料:オーストラリア油糧種子連盟(AOF)からの聞き取り(2003年5月)
PREVMENUNEXT