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今回は、日本植物油協会が提唱する「うつくしい元気」にふさわしい食について、ユニークかつ
鋭い持論で現代人に「体によい食べ方」を指導し続けていらっしゃる新居先生にインタビュー。 とくに植物油の次代のユーザーである若い女性に向け、植物油の正しいとり方をわかりやすく解説していただきました。 |
新居裕久先生プロフィール |
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医学博士。昭和大学医学部客員教授。新宿医院院長。医療法人医食会理事長。
健康と食事に関する第一人者で「医食同源」という言葉を作り、その普及と実践に努めている。
NHK「きょうの料理」の講師をはじめ、NTV「おもいッきりテレビ」など、テレビや雑誌で活躍中。
著書に『医は食にあり』(時事通信社)、『プラス効果の食べ合わせ』(同文書院)、『成人病知らずの万全メニュー』(青春出版)など多数。 |
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トンカツ好きの女性はうつくしい!?
植物油メニューの知られざるパワー |
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トンカツ好きの女性はうつくしい
香り高いあぶらでカラリと揚げられたアツアツのトンカツ、なんとも食欲をそそりますよね?では、カリッとした衣の内側にトロリとしたホワイトソースの味わいの広がるクリームコロッケは?プリプリした歯ごたえのエビフライは?よほど胃腸の弱い方でない限り、揚げたてのフライに食欲を感じない人はいないのではないでしょうか?
誰もが大好きなフライものですが、私は、うつくしくなりたいと願う若い女性にこそたくさん食べていただきたいメニューだと思っています。フライに欠かせないあぶら、とくに植物油は、しっかり食べるほどうつくしくなれる食品です。「えっ!」と驚かれる人も多いかもしれませんが、これは本当のことです。
うつくしい女性の条件としてまずあげられるのが、肌のうつくしさです。時代によって好まれるファッションは変わっても肌のうつくしさだけは女性の重要な関心事らしく、最近でも白い肌がいいとか、小麦色の肌が好きとか、ずいぶん話題になっていますね。色はどちらにしても、肌のうつくしさの決め手は健やかさ。かさついていたり、荒れていたのではとてもうつくしいとは言えません。植物油には、この肌の健やかさに大切な成分が含まれているのです。ヒトの体内では作り出すことのできない「必須脂肪酸」(注1)がそのひとつ。これが足りなくなると健やかな肌が保てなくなってしまいます。
また、若い女性に多い冷え性にも、植物油が重要です。いくら美人でも、顔色がさえず、憂鬱そうな顔をしていたのではせっかくの美貌も台なしですね。こうしたことを防ぐのに欠かせないのが、植物油にたくさん含まれるビタミンE。末梢血管を拡張し、血液循環をよくすることで冷え性を予防してくれます。日本人は必要なビタミンEの3分の1を植物油に頼っているので、植物油不足はそのままビタミンE不足につながり、うつくしさの危機を招くことになるのです。
さらに、ビタミンEは活性酸素を抑えて老化を防ぎますから、植物油をよくとっているお年寄りほど長生きするということがわかっています。若い女性に老化といってもピンとこないかもしれませんが、実は老化は20才頃から始まるといわれています。若さはほうっておいて保てるものではありません。日々のケアがあればこそ、若々しい心身が維持されるのです。そして、そのために植物油の果
たす役割は大きく、まさに植物油は、日本植物油協会の提唱する“うつくしい元気”という女性像には欠かせない食品だということができます。
(注1)必須脂肪酸:ヒトの体内では作り出せないため食べ物からとる必要がある。リノール酸、リノレン酸などがこれに当たる。
「植物油は太る」は大きな誤解
さて、こうお話しすると「おいしくて大好きなあぶら料理が美容にも欠かせないというのはうれしいけれど、太るもとでしょう?」と心配する声が聞こえてきそうですね。しかし、これは誤解です。
いい例が香港の食事。香港へ買い物ツアーに出かけたことのある方も多いと思いますが、そのとき、香港の女性はスリムだと感じませんでしたか? 香港の食事といえば、ほとんどあぶらを使った炒め物や揚げ物です。あぶらをとって太るのなら、彼女たちがあんなにスリムでいられるはずはありません。太るのはあぶらのせいではないのです。その秘密は後で述べます。それに、あぶらを使った料理は腹持ちがよいので間食が控えられ、結果
的に1日の摂取カロリーを低く抑えることができます。そういう意味では太らないどころか「ダイエットに役立つ」とさえ言えるのです。
おいしくて、うつくしくなれて、太らない植物油の料理。「もっと知りたい」と植物油の献立や料理、その食べ方に興味がわいてきたら、あなたがよりうつくしくなるための第一歩を踏み出したといえます。
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