遺伝子組換え作物が登場して、すでに20年の歳月が経過しておりますが、我が国においては、食品衛生法に基づき、食品安全委員会による科学的な評価を踏まえ、厚生労働省の認可を経るなど、国家としてその安全性を保証しているところです。このため、私ども日本植物油協会は、こうした安全性に関する義務化については異論のないところですが、このたびの政府による選択のための表示制度の義務化に関しては、優良誤認の危険性をはらんでいることに留意する必要があり、その拡大にあたっては、表示制度が科学と裏腹の関係にあることに配慮した細心の注意が必要であると考えます。
　なお、このことについては、消費者庁「食品表示一元化検討会報告書」において、義務表示を拡大する際には安全性に関する表示が優先されるべきであり、選択のための表示の見直しは慎重であるべきとの結論が提示されています。