Step3は、しぼった油分から不要なものを取り除く「精製」です。圧搾、抽出された油にはそれだけでは、原料特有のくせのあるにおい、油の品質を悪くする不純物が混じっ ており、これらはきちんと取り除いていかなければなりません。ただし、ごま油、オリーブ油などのなかには、独特の風味を生かすため精製の過程がないものもあります。
 油の精製には5つの過程があります。
1.脱ガム(除去手段=遠心分離)
 リン脂質、タンパク質、糖類などを総称して“ガム質”と呼びます。これは、植物油を加熱したとき泡や煙が出やすい、色が黒ずむ、においが悪くなるなどの原因になります。ガム質は温水で水和させて取り除きますが、 大豆のガム質の一部は“レシチン”となり、健康食品などの原料として使われています。
2.脱酸(除去手段=遠心分離)
 遊離脂肪酸は油の風味を悪くしたり、加熱したときのにおいや煙の原因になります。苛性ソーダで中和させて取り除きます。
3.脱色(除去手段=ろ過)
 原料段階では光合成の役割を果たした緑色のクロロフィルは、光による油の酸化を促進し、カロチノイド系の色素も油の色に影響します。そこでこれらの色素を活性白土に吸着させてろ過します。
4.脱ろう・ウインタリング(除去手段=ろ過)
 4 までの段階が終了すれば食用にもできるのですが、サラダ油にする場合には、さらに「脱ろう」または「ウインタリング」と呼ばれる工程を行います。低温で、油の中のロウ分を結晶にし、ろ過して取り除きます。
5.脱臭(除去手段=真空水蒸気蒸留)
 真空状態で、においの成分を沸騰しやすくし、高熱の水蒸気を吹き込み、においの元を蒸発させます。
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