書籍やチラシを印刷するインキは油性の「印刷インキ」と呼ばれ、私たちが手紙などを書くときに使用する水性のインクとは異なります。ちなみに、英語ではインク(ink)と表現しますが、ここでは業界の用語としてオランダ語のインキ(inkt)と表現します。
印刷インキには、次のような機能を満たすことが求められます。
- ① 文字や文様をくっきりと描くこと(光沢、発色)
- ② 大量の高速印刷に適応できること(速乾性、転移性)
- ③ 水濡れなどで簡単には消えることがないこと(不溶性、被膜強度)
- ④ 多様な印刷対象物(被印刷体)に印刷できること
私達が日常的に使用する紙幣には、特に③の要素に加え模造が容易にできないことが求められます。
また、被印刷体は紙だけではなく、プラスチックフィルム、ガラス、金属、木材など広範囲にわたります。
印刷インキには、華やかなグラビア印刷などに用いるインキなどがありますが、ここでご紹介するのは、普通の印刷に用いられる平版(オフセット)印刷インキです。
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