冷凍食品を安心して召し上がっていただくためには、製造から家庭に至るコールドチェーンの中で品質・衛生・安全の厳格な管理が必要ですが、とりわけ温度管理が重要です。品温を-18℃以下に維持するため、各段階で様々な取組みが行われています。
(1)冷凍食品認定制度 社団法人日本冷凍食品協会が設立されたのは1969年ですが、その翌年には会員企業の工場で製造される冷凍食品の品質・衛生管理の向上を図るため「冷凍食品自主検査制度」を創設しました。行政庁による制度ではなく、食品に関する民間機関ではおそらく初めての工場認定の仕組みです。日本冷凍食品協会では一定の基準をクリアする工場を認定し、その工場で製造された製品に「認定証マーク」を貼付することを認めています。この制度の定着によって、冷凍食品の高い品質・安全性が確立され、冷凍食品産業の発展に大きく寄与したと自負しています。
その後、他の食品業も含めて食品の品質と安全を確保するための新たな手法が次々と登場してきました。日本冷凍食品協会でもこれらの新しい手法や考え方を積極的に導入した「新冷凍食品認定制度」を2009年4月に導入しました。当初の自主検査制度は冷凍食品の製造を行う施設・設備の工場基準を中心としたものでしたが、新制度では、これに加えてコンプライアンス、原材料・製品の管理、従業員教育など管理・運営面を大幅に強化した基準に改めました。現在この新基準に基づく認定工場は約500に上っており、国内の主要な冷凍食品工場が網羅されています。
また先に述べたような食の安全に疑惑を生じかねない事件・事故が多発したことを踏まえて、工場における製造工程の厳格な管理にとどまらず、原材料についても、その事前検査や調達先の信頼性などのチェックも求めています。冷凍食品をお買い求めになるとき、商品に次のようなマークがついていることにお気づきでしょうか。これが冷凍食品の安全と信頼を保証するマークなのです。
【 図5 認定証マーク 】
(2)流通過程での厳格な温度管理 物流部門、小売店舗でも冷凍食品の温度管理は極めて重要な課題です。しかし必ずしもその対応が十分でないケースが時折見受けられることがあります。このため日本冷凍食品協会では、温度管理が最も重要になる6~8月を「冷凍食品の温度管理月間」と定め、関係業界団体や主要な小売店などにポスター、小冊子などを配布して、その啓発に努めています。スーパーなどでは、冷凍ショーケースの温度計が-18℃以下になっているか、ロードライン(ショーケース内に赤線などで表示)以下に商品が置かれているか、商品に大量の霜が付着していないか、などを確認した上で、冷凍食品を購入されるのが良いでしょう。
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