日本の味“マヨネーズ
5.全国マヨネーズ・ドレッシング類協会の竹本洋一専務理事ににお伺いしました。

Q1.

この数年マヨネーズの生産量が減少しています。マヨネーズが飽きられてきたのでしょうか?


 

 確かに生産統計を見るとマヨネーズの生産量が少しずつ減少しています。ただ、本文にありますように、マヨネーズに類似した製品などが増えていますので、JAS品質表示基準でマヨネーズと表示できる製品が少しずつ減少しているということです。またマヨネーズはドレッシングの一部ですから、ドレッシング類全体の動向でご判断いただくのが適切ではないでしょうか。ただ社会全体の高齢化が進み、食料の消費は少しずつ減少する傾向にあります。また最近の経済停滞のため節約的な食生活をされることの影響もあり、ドレッシング類全体の生産も減少しておりましたが、昨年夏場以降は回復傾向にあります。


【 表2 マヨネーズ生産量の推移 】

暦 年 生産量 一人当たり生産量
  トン グラム
2000年 240,443 1,895
2001年 241,037 1,894
2002年 238,246 1,870
2003年 230,788 1,808
2004年 226,041 1,770
2005年 225,889 1,768
2006年 210,421 1,647
2007年 212,408 1,662
2008年 208,997 1,637
2009年 206,537 1,620

資料:全国マヨネーズ・ドレッシング類協会


Q2.

卵、植物油を原料としているので、栄養価値が高い食品ですね。でもカロリーが高そうで肥満やコレステロールが気になりますが?


 

 良質の脂質とタンパク質を含んでいますので、栄養価値は高い食品です。また食酢の疲労回復・抑制効果もあります。
 肥満やコレステロールを気にされる方も少なくありませんが、良質の植物油を含むマヨネーズはむしろコレステロール値を下げるはたらきがあるというデータもあります。
 これはすべての食品に共通することですが、私どもとしては、料理をおいしく召し上がるため適正な量をご利用いただくことを願っております。


Q3.

おいしいマヨネーズを作るため、どんな工夫をされていますか?


 

 各社が様々な工夫をしています。卵については卵黄のみの場合や全卵を使用されている会社もあります。食酢もさまざまです。これらが味わいに差異をもたらしています。また同じ会社でも10年一日のごとく同じ製品を作っているわけではなく、食生活の変化、社会全体の年齢構成、健康志向など需要の変化などを考慮して、少しずつレシピを変えたり、新しい製品を開発しています。こんな競争が、よりよいマヨネーズを生み出しているのだと考えています。


Q4.

とっておきのマヨネーズ料理がありますか?


 

 マヨネーズはソースあるいはドレッシングとして、さまざまな料理に利用できる汎用性があります。マヨネーズを製造されている会社のホームページなどで、とっておきレシピを紹介されていますので、それをご覧いただきたいと思います。


Q5.

自宅でマヨネーズを作ろうと思うのですが、なかなかうまく作れないのですが?


 

 確かに、ご家庭で作るのは難しいかもしれませんが、レシピに従ってトライアルを重ねてみてください。自分の好みの味を作るということも、料理の楽しみの一つだと思います。上手な作り方よりもご注意いただきたいのは、お作りになったらすぐに食べていただきたいということです。酢の殺菌効果もありますが、滅菌管理の行き届いた工場で作る場合とはどうしても差があります。もし食べ残しがでる場合には、もったいないようですが廃棄処分していただいた方が良いですね。


Q6.

どんな植物油が使用されていますか、また植物油に期待することは何ですか?


 

 マヨネーズに使用する植物油は、日本の製油産業の発展とともに変化してきました。 創業者の中島董一郎氏が最初のマヨネーズを世に出したときは、綿実油を使用していました。しかし日本の綿花生産が減少するにつれて、大豆油や菜種油を使用するようになりました。そのほか、べに花油を用いたり、香りのあるオリーブ油やごま油を混ぜる製品もあります。
 マヨネーズは日保ちのする生鮮食品ですから、材料の鮮度や安定性を大切にしていますし、味を壊すようでも困ります。現在使用しております高い品質の植物油を、これからも安定して供給いただけることを希望しています。


※本稿の作成には、文中でも紹介した株式会社データハウス発行の「マヨネーズ大全」(カベルナリア吉田氏著)を引用し、また、全国マヨネーズ・ドレッシング類協会のご協力をいただきました。

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