(5)こうなると、即席食品ではないですね。“即席”といいながら、普通の料理並みに時間を掛けることは矛盾しませんか
なるほど、面白い見方ですね。当初の“即席”を基本としながら、いろいろな調理にご利用いただける食材という性格が即席麺に加わってきたとご理解いただければ良いのではないでしょうか。
(6)業界では宇宙食にも取り組んでおられると聞きましたが
平成17年7月、宇宙飛行士野口聡一さんが無重力・低気圧下のスペースシャトル「ディスカバリー」内でラーメンを食べる姿がTVで放映されました。あの時のラーメン、名付けて「スペース・ラム」は、即席麺製造技術の粋を集めた作品と言えるでしょう。完全無菌であること、汁が飛び散らないこと、沸点の低い環境でしかも最小限の湯で湯戻りすること、味覚鈍化の影響がある中でも美味しく食べられること…、そんな様々な制約を克服してラーメンが宇宙食に採用されたのです。これによって即席麺がさらに発展する可能性が立証されたのだと思います。
即席麺はEARTH FOODを目指しています。
(7)植物油に期待することは何でしょうか
長期保存が可能な食品であることも即席麺の重要な機能です。したがって、酸化安定性の高い植物油であることが何よりも大切です。現在では、安定性の高いパーム油を主として用いていますが、より安定性が高く、風味に優れた植物油であれば歓迎することになるでしょう。
無論、供給量と価格の安定は必須の要件ですね。
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