(1)植物油の使用は「増やしたい」がちょっぴり増加に
今後の植物油の使用意向については、「変わらない」とする方が約3分の2で前回と同様の結果でしたが、調査開始以来の動向を継続的に高まっていることが示されています。
また、今後の使用を「増やす」「減らす」(注1)についてはほぼ拮抗していますが、前回と比較すると、「増やしたい」「やや増やしたい」とする方がわずかですが2007年度の結果を上回ったのに対し、「減らしたい」「やや減らしたい」とする方が継続的に減少する傾向にあります。「変わらない」とする方の割合が傾向的に上昇していることと重ね併せると、食用油が食生活に不可欠な調味料として根付いていることに加え、健康の維持に不可欠の栄養素であることについてのご理解が深まっていることをうかがわせる結果となっています。
この傾向は、年代別にも窺い知ることができます。今後の食用油の使用について、60歳代の方では「変わらない」とする方が70%で各年代層を通じて最も高くなっています。また、「減らす」意向の方がやや多いとはいえ、積極的に「増やしたい」とする方の割合も各年代層を通じて最も高くなっていることが特徴的です。
図表では示していませんが、食用油の使用を「増やす」と回答した方にその理由を伺ったところ、3分の2の方が「健康によさそうだから」と回答され、その他の回答を圧倒的に上回っていました。また、「減らす」と回答した方の理由で、「太りそう」と回答した方は前回の17.5%から9.7%へ激減しています。
昨年5月の厚生労働省が策定された「日本人の食事摂取基準(10年版)」において、高齢層の栄養不足が指摘され、脂質摂取を高めることが健康な高齢生活を過ごす上で重要であることが指摘されましたが、「ダイエットは油の摂取を減らすこと」という一方的な見方から、栄養バランスを心がけた適正な食生活が大切であるという認識が深まってきたことが、この調査結果にも表れてきたのではないでしょうか。
(注1)「増やす」は、「増やしたい」「やや増やしたい」の合計、「減らす」は、「減らしたい」「やや減らしたい」の合計
【 図6 植物油の今後の使用に関する意向 】
【 図7 年齢層別に見た植物油の今後の使用に関する意向 】
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