揚げせんべいの前に、お米で作ったお菓子“米菓”について、簡単にご紹介しましょう。
お米は、「うるち米(粳米)」と「もち米(糯米)」に大別されます。そして、この二つのお米から、それぞれ米菓ができます。全国米菓工業組合によれば、次のように分類されています。
【 図1 米菓の分類 】
資料:全国米菓工業組合提供
お米は、我が国を代表する農産物で、古くから食べられていますが、米菓の形で一般的に食されるようになったのは400年ぐらい前のことのようです。全国米菓工業組合「米菓業界の軌跡」(1986年)には、いくつかの伝承が記載されています。もっとも、ご飯を干したもの(干飯)が古くから保存食として利用されていましたので、ご飯や餅にしたお米を干し、再度加熱して食する知恵は、古くからあったと考えて良いのではないでしょうか。
「米菓業界の軌跡」では、平安時代(約1200年前)に、弘法大師で知られる空海が中国から小麦粉せんべいの技法を伝えたことが記されていますが、これを参考に“あられ”や“せんべい”が作られたことも、容易に想像できます。
もち米で作られる“あられ”や“おかき”と、うるち米で作られる“せんべい”のどちらが早く作られるようになったのかということについては、どうやら前者が早いようですね。食べ物の起源を正確に知ることは難しいのですが、古くから主食として大切にされていたお米を、様々な工夫をして無駄のない利用しようとする先人の知恵が生み出してきた産物であることは確かなことでしょう。
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