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現在、世界のヒマシ種子の生産量は約130万トンで、このうちインドが6~7割を占め世界最大の生産国となっています。また、種子から製造されるひまし油輸出量の約9割を占めています。かつては中国、ブラジルなどが輸出国として世界市場をリードしていましたが、先の述べた事情から、インドが世界一の生産国となりました。
【 表4 世界のヒマシ種子生産量推移 】
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【 表5 世界のヒマシ油需給バランス 】
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インドにおけるヒマシの主産地は、パキスタンと国境を接するラジャスタン州とその南のグジャラート州で、この2州で全生産量の80%以上を占めます。ムンバイから北西に飛行機で1時間の位置に集産地があり、市場が開かれています。農家の生産規模は小さく、平均所有面積が1ヘクタール程度です。各農家は毎年のモンスーンの降雨量や、落花生など他の作物の価格と比較した上でヒマの作付量を決定します。作付けはモンスーンが訪れた後、7月から9月にかけて行われ、収穫は12月後半から2月にかけて行われます。
工業用原料として世界的に需要増が見込まれるひまし油。その供給国として、インドは更に生産数量を拡大していくと期待されています。
【 図4 主産地のグジャラート州とヒマシ種子の集積所の風景 】
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集産地へ |
ヒマシ受け渡し |
主産地グジャラート |
写真:伊藤製油(株)提供 |
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