<健康志向型の油に対して、どのようなイメージを有しておられるのでしょうか>
● 「ダイエット・イメージ」が減少、「トクホなので安心」が高まる
健康志向型の油に対するイメージについて伺ったところ(複数回答)、「値段が高い」が67.9%と最も多く、次いで「体によい」(45.1%)、「ダイエットによい」(39.1%)、「特定保健用食品なので安心」(38.6%)という結果でした。
1位から3位までのイメージは、初回調査(2000年度)以降常に上位に挙げられてきましたが、「ダイエットによい」が2002年度から徐々に減少し、一方で「特定保健用食品なので安心」とする方が増えています。
また、「天然素材の方がよい」(14.3%)、「人工的で不安」・「効能・効果が疑わしい」(ともに13.0%)といったネガティブなイメージは、初回調査以降半数程度まで減少しています。
初回調査の頃に比べ、植物油の特徴をきちんと備えた新しい健康志向型の油が登場したことが、不安を喚起させるようなネガティブイメージの低下につながっているようです。また、ダイエット対策という限定されたイメージから、安心して摂取でき、健康の維持増進に寄与する油というイメージが確立されてきたのではないでしょうか。
ただ、年代別にはやや変化があり、20代では「特定保健用食品なので安心」というイメージが高いのに対し、60代では、なお不安感を抱いている方が比較的多いという傾向が見られます。油に長く親しんでこられた経験から来るものでしょうか。
【 図6 健康志向油に対して抱いているイメージ 】
注)「特定の機能が強化されてよい」は2003年度より設置した選択肢です。
【 図7 年齢層別に見た健康志向油に対して抱いているイメージ 】
<健康志向油は、目的に応じた使い分けから広く利用したいへと変化>
●健康志向油は、広く使いたいとする傾向が強まる
今後の健康志向油の使用意向について伺ったところ(単一回答)、「使用したくない(「あまり使いたくない」と「まったく使うつもりはない」との合計値)」は16.0%であり、初回調査から年々減少傾向にあります。
これに対し、使い方については、初回調査では比較的高かった「料理を食べる人により使い分けたい」とする方が10%に低下する一方、「油を使った料理は全て健康志向油を使いたい」が24%、「一部の油を使った料理に使いたい」が49%となり、年々高まる傾向にあります。
特定の効果を強調するだけでなく、油としてのおいしさを備えた商品の登場が、このような使用方法の拡大をもたらしているのかもしれません。主婦の皆様が油の特徴を理解し、様々な油を使い分けるコツをつかんでおられる様子が浮き彫りとなる結果でありました。
【 図8 健康志向油の使用意向 】
<健康志向油の使用は、生活慣習病への備え>
●健康志向油の使用は生活慣習病の予防対策が第一
『健康志向油の使用したいとする方*』に、その理由を伺ったところ(複数回答)、「生活習慣病の予防対策として」が68.3%と最も多く、次いで「コレステロールが気になるから」(58.9%)、「生活習慣病の改善目的として」(34.4%)という順序になりました。
初回調査に見られた「ダイエット対策」という回答は年々低下し、健康志向油(トクホ)に対する正確な理解が広がっていることがうかがえました。
また、「生活慣習病予防」と「コレステロール低下」という回答の割合が余り変化しない中で、「生活習慣病の改善」を目的とする方の割合が高まっていることが特徴でした。健康志向油をうまく利用して、現実に生じている生活慣習病を抑制したいという希求度が高まっているという見方もできる結果でした。
反面、使用効果や食品としての好みという回答は低く、健康志向油が、更に多くの皆様にご利用いただくための要件が見えるようです。
年代別では、若い世代(20代)では、依然として「ダイエットによいから」が高い割合にありますが、「生活習慣病の予防対策として」が他の世代より高い割合であることが気になるところです。
若い世代で、そのようなことを気にしなければならない現実が生じていることに懸念する反面、若い時期から十分な備えをしていこうという主婦の皆様の意気込みが感じられる結果であるとも言えるようです。
*健康志向油の使用意向者:健康志向油に対して、「油を使った料理は全て健康志向油を使いたい」もしくは「一部の油を使った料理に使いたい」もしくは「料理を食べる人により使い分けたい」との回答者
【 図9 健康志向油を使用したい理由 】
注)「特定の機能が強化されているから」は2003年度より設置した選択肢です。
【 図10 年齢層別に見た健康志向油を使用したい理由 】
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