タイトル
 日本とカナダの政府及び民間関係者で構成している日加なたね協議は、今年で第29回を重ねるに至りました。

 夏季にはカナダ産菜種の生育状況調査を兼ねてカナダで予備協議を開催し、菜種生産量がほぼ確定する12月はじめに日本で本協議を開催しています。

 2005年は、7月11,12日の両日にわたり、アルバータ州カルガリー市で開催されました。

 今回の予備協議の議題は次のとおりで、有力な顧客である日本に対し、カナダ側が良質の菜種を安定的に供給していこうとする意欲が発現した協議になりました。日本側の参加者は31名(オブザーバー7名を含む)で、これまでで最大の代表団となりました。


 (1)日本における油糧種子・植物油需給の見通しについて
 (2)カナダ産菜種の需給見通しについて
 (3)最近の油糧種子育種技術の進展について
 (4)日加両国における最近の主要政策議論について
     (1)日本における農薬残留規制及び遺伝子組換を巡る情勢について
     (2)カナダにおける農薬使用及び遺伝子組換菜種の動向について
 (5)菜種品質の改善方向について
 (6)カナダの鉄道輸送に関する情勢について


 この予備協議で日本側が最も知りたい情報は、2005/06年産菜種の生産と需給の見通しでした。これに関しては、一部の地域に天候不順による減産が懸念されるものの、総量は800万トン程度になるとの見通しが伝えられました。

 懸念される天候不順は、主産地の一つであるマニトバ州がかってない降水に見舞われ、土壌水分が過多の状態になり、播種不能もしくは播種後の種子流亡が生じたことです。また、消毒剤等の散布ができなかったことから、生育に連れて病害発生が懸念されています。 

 しかし、サスカッチェワン及びアルバータの2州では、天候はほぼ理想的に推移しており、豊作が期待されています。

 協議に先立つ6月23日に、カナダ政府(統計局)による楽観的な生産見通しが示されていましたが、菜種関係者の多くはこれより厳しい結果を見込んでいます。しかし、それでも800万トン程度の生産が期待できそうで、私どもとしても一安心というところです。

 このInformationを発行する頃には、カナダ政府による新しい生産見込みが示されているかもしれませんが、予備協議で示された情報としてお届けします。

 *その後、カナダ統計局は、8月26日付で7月31日現在の調査結果として、カナダ産菜種の生産量が、832万トンと見込まれると発表しています。





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