◆用途別需要は加工用が増加

 植物油の用途は家庭で利用されるもの、外食・中食産業などで利用される業務用、マーガリンなど食品加工産業で利用される加工用の3つに大別されます。これら用途別の需要を正確に示すデータはありませんが、植物油の出荷容器から推計すると図表3のとおりです。食品産業の発展や食生活が変化してきたことに伴って、これらの用途別需要も変化してきました。この10年余り、家庭用が漸減の傾向にあるのに対し、業務用や加工用が増加してきました。
 なかでも増加が著しいのは加工用ですが、マーガリン、マヨネーズ・ドレッシング用途が堅実に増えるとともに、それら以外の加工食品需要が大きく増加しています。また、図表には現れていませんが、業務用のなかでは大缶ではなくミニタンクなどのバルクで流通するものが増加し、植物油の用途だけでなく、流通の利便性も需要に大きい影響を与えていることがわかります。

図表3 日本の食用植物油用途別需要の推移
図表3

  食用需要 (千トン) 割合  (%)
'80年 '90年 '00年 '01年 '80年 '90年 '00年 '01年
家庭用(小型容器入り) 450 500 470 446 32.2 26.7 20.9 19.8
外食等業務用(大缶入り) 417 605 624 628 29.8 32.3 27.8 27.8
加工用:マーガリン等 315 409 446 445 22.5 21.8 19.8 19.7
加工用:マヨネーズ、ドレッシング等 152 195 229 238 10.9 10.4 10.2 10.5
その他の食品・業務用(バルクまたはミニタンク) 65 165 480 500 4.6 8.8 21.4 22.2
合 計 1,399 1,874 2,248 2,257 100.0 100.0 100.0 100.0
資料:農林水産省食品産業振興課調べ
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