おいしい!カンタン!長持ち!植物油づかいの隠れ技、「オイル漬け」
●「オイル漬け」に注目!
オリーブオイルやグレープシードオイルなど、たくさんの仲間が増えて、スーパーの植物油コーナーがずいぶんにぎやかになってきました。ご家庭でも複数の植物油を用意するのが当たり前となり、植物油への関心は以前より高まってきているようです。とはいえ、その一方で、植物油を使う場面というと、やはり揚げ物、炒め物、サラダドレッシングなどに限られ、意外に広がっていないというのも現実なのではないでしょうか。
そこで今号では、家庭料理としてはなじみの薄いオイル漬けについて、レシピとともにご紹介します。油の性質を活用したすぐれた調理法、オイル漬け。そのテクニックを知れば、あなたの“植物油づかい”の幅もグレードも、レベルアップすることまちがいなしです。

●「オイル漬け」を学ぼう!
「オイル漬け」と言ってピンと来なくても、ツナ缶を知らない方はいないですよね。ツナ缶とは、まぐろの油漬けの缶詰のこと。文字通り、まぐろを油に漬けて加熱した加工食品です。加工食品でのオイル漬けはポピュラーで、オイルサーディン(いわしのオイル漬け)もそうですし、変わったところではチーズのオイル漬けや、ドライトマトのオイル漬けなどもあります。
では食品をオイル漬けにすると、どんな良いことがあるのでしょうか。

メリット1 おいしく保存する
第1のメリットは、食材をおいしく保存できることです。
ツナ缶を例にあげると、もしまぐろをボイルしたり焼いたりしただけで冷蔵庫に入れておいたとしたら、衛生的にはある程度保存できたとしても、身はパサパサして固くなりおいしいものではなくなってしまうでしょう。オイル漬けだからこそ、ツナ缶のまぐろは身が乾燥することなくしっとりしたおいしさがキープされるのです。
オイル漬けによっておいしさを保てるのは、“水分や空気(酸素)から食材を遮断する”という作用のなせる技です。水分や空気(酸素)から食材を遮断することによって、カビの発生や酸化による風味劣化、食材からの水分流出などを防ぎ、また油の中では微生物が繁殖できませんから保存期間を長くすることが可能になります。
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