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- 世界の油糧種子・油脂の需要長期見通しについて
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- 油脂に関する権威ある専門調査誌である「オイルワールド」は、さる5月に西暦2020年を目標年次とする油糧種子・油脂の長期見通 しを発表しました。この欄では、その概要を紹介します。
見通しの対象は、
- 10種類の油糧種子;大豆、綿実、落花生、ひまわり、なたね、ごま、コプラ、パーム核、あまに、ひまし
- 17種類の油脂;上の10種類の油糧種子から搾油する油脂、コーン油、オリーブ油、パーム油、魚油、バター、ラード、牛脂、その他獣脂
- 12種類のミール;大豆、綿実、落花生、ひまわり、なたね、ごま、コプラ、パーム核、あまに、コーン、コーングルテン、魚粕
となっていますが、このうち、油糧種子と油脂の見通しについてご紹介しましょう。
1.見通しにあたっての前提
長期見通しの困難さは、油糧種子・油脂を巡る環境がどのように変化するかが的確に判断できないところにあります。オイルワールド誌は、見通 しの前提を次のように設定しています。
- (1)基準年次
- データは1975/76年を起点とし、1998年(見込み)までを基準として、2020年までの各年について、5年を一単位 とする期間ごとの需給を見通している。
- (2)政策の前提
- 各国における現行の生産政策、関税政策が継続すると仮定する。ただし、EUのAgenda2000を織り込み、ウルグアイ・ラウンドに際してEU・アメリカ間で交わされたブレアハウス合意は1999年末に失効すると仮定してある。
- (3)見通しの対象となる国(地域)
- 22か国(地域) (省略)
- (4)世界の人口
- 1998年の59億人が2016~20年平均で73億6,400万人まで増加すると仮定。
- (5)経済成長
- 世界のGDPの年平均成長率を次のように仮定している。
2001~2005年 |
3.2% |
2006~2010年 |
2.9% |
2011~2015年 |
3.3% |
2016~2020年 |
3.4% |
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- 2.見通しの結果
(1)油脂の需要
- 一人当たりの消費量は、高所得国においては食用需要が飽和水準にあることから伸びが鈍化するものの、食用以外の需要が増加し、全体では依然高い水準の消費が続くと見込んでいます。他方、途上国においては食用需要の増加率は高いものの水準は低いとしています。
見通し期間中の一人当たり消費量は、次のとおりです。
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油脂の総需要量は、高所得国における人口増加の低下から伸びは鈍化するが、他の諸国の人口増加があり、依然高い伸び率が見込まれるとしています。 |
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このような需要見込みの中で特徴的なことは、2016~20年の油種別需要では、現在の大豆を追い抜いてパーム油が最大の油種になると見通
していることです。これは、大豆ミールの飼料需要の増加が油脂需要の増加を下回るため、ミールと並行して生産される大豆油も油脂全体の需要の増加率を下回ると見込んでいることによるものです。 |
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- (2)油脂の生産
- 油脂の生産は、当然ながら需要に見合って増加すると見込まれています。その中で、需要見通 しに示されたようにパーム油の生産の増加が目立っています。
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- (3)油糧種子の生産
- 油糧種子の生産は、作付け面積拡大の限界もあり、今後の増加のポイントは単位 面積当たり収量の増加に依存することとなるが、油脂の需要の増加テンポに追い付かず(したがって、パーム油のシェアが高まる)、2016~20年の平均生産量
は、1996~2000年平均の51%の増加にとどまると見通されています。
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