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サラダ油、てんぷら油という用途別
の名前やなたね油、オリーブ油のように原料の名前など、いろいろな呼び名があるのはなぜ?
一般
に、「サラダ油」「天ぷら油」「白絞油」という呼び名と、「なたね油」「べに花油」「調 合油」などの呼び名が一緒に使われているために混同しているのですが、JAS(日本農林規格)ではきちんと規定しています。
それによると、植物油は精製度合により「半精製油」「精製油」「サラダ油」に区分けされています。「半精製油」はごま油やオリーブ油のように、原料の持ち味を生かすためにほとんど精製していないもの。「精製油」は脱酸、脱色、脱臭を行ったもので、通
常「白絞油」「天ぷら油」などの名称で流通されているものです。 「サラダ油」は、精製油の基準に加えて色や冷却安定性の基準があります。サラダ油はマヨネーズやドレッシングなど冷えた料理に使うために、低温でも油が濁りにくく、風味も油っぽくならないようにしてあるのです。
また、JASでは油の名称も定められており、「なたね油」「べに花油(サフラワー油)」は原料の種類を表わすもの、「調合油」とは2種類以上の油を混合したときに用いる言葉です。たとえば、なたね油については「なたねサラダ油」と「なたね精製油(天ぷら、白絞油)」と「なたね油(半精製油)」があります。調合油についても同様です。
サラダ油は、サラダ用に生で食べる以外にフライにも使えて用途が広く、多くの家庭ではサラダ油だけで天ぷらを含め全てをカバーするようになりました。しかし業務用では、用途に応じてさまざまな油が開発、利用されています。
食用油は何回も揚げ物に使ってよいと聞きましたが、それは本当ですか?
天ぷらやフライをすると、油は加熱によって劣化します。劣化の進行は油の種類や揚げ
種の質と量、揚げる温度、時間などの条件によって一様ではありませんが、常温より極めて早く劣化します。油が劣化すると、1つは成分が変化することに伴う栄養上の問題と、もう1つはにおいや味といった食品本来の機能が低下するという2つの問題があります。
栄養面では、過酸化物の問題が指摘されますが、揚げ物の場合、熱によって過酸化物が分解されるので、それ自体の心配はほとんどありません。むしろ、油が熱で分解して出来る分解物や重合物の栄養的な問題です。これらは量
が少なければ問題ありませんが、量が多くなれば身体に影響を及ぼします。ただ、どのくらいがボーダーラインかということは大変難しいことで、ひとまず使いすぎた油は注意することが必要でしょう。また、使い古した油は食品としておいしさが低下し、揚げ物時のにおいや煙が発生するほか、からっと揚がらず、べとつくなどの問題があるので、決して好ましいことではありません。栄養や安全性の一部の視点からだけ見れば、何回もいつまでも使えるといえるかもしれませんが、食品として総合的に判断すれば使用回数にはおのずと限界があります。 |
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