皆様に支えられて50年
6.設立50周年記念事業

 去る5月15日、日本植物油協会は設立50周年のささやかな記念式典と祝賀会を開催しました。式典には鹿野道彦農林水産大臣はじめ、国内・海外の友好団体代表のご参加をいただき、質素ではありましたが厳粛な式典となりました。その式典での新旧会長の式辞と閉式の辞の一部をご紹介して、この稿を閉じることとします。少し長くなりますが、これら二つのスピーチは、日本植物油協会の今後の活動に対する新旧会長の思いが込められています。それをお読みとりいただければ幸いです。

【 図5 鹿野道彦農林水産大臣より祝辞を賜る 】
図5 鹿野道彦農林水産大臣
(注)有限会社油脂特報社提供

【 資料1 日本植物油協会設立50周年記念式典式辞(抜粋) 】

 日本植物油協会は、昭和37年1月、社団法人日本油脂協会として設立以来50年の星霜を経ることとなりました。この間、社団法人日本植物油協会と名称を改め、本日は一般社団法人日本植物油協会として、この式典を開催するに至りました。
 50年の歳月は、人類の歴史においては瞬きに過ぎない時間でありますが、製油業にかかわった個々の者にとりましては、非常に長い道のりでありました。
 この記念すべき日に、ご挨拶申し上げることができる機会を得ましたことは非常な幸運であると感じますとともに、今日まで艱難辛苦を乗り越えられた先輩諸兄と、長きにわたりご指導とご交誼を賜りました方々に、深甚の謝意を申し上げる次第でございます。

 (中略)

 50年という歴史は変動の積み重ねであり、50周年を祝賀することは、立ち止まることではなく、次の変動への覚悟を新たにすることであります。そして絶えず革新と改革の意思をもって問題を克服することが、新しい歴史と伝統を築くものであると考えます。
 日本植物油協会に集う会員は、この期間を通じて、それぞれが良き競争相手として切磋琢磨しつつ、同時に会員の総意を協会に集約し行動してまいりました。そして十分とは言い難いものの、植物油に関する適切な情報の発信など、公益的機能を果たしてきたものと自負いたしております。この4月より一般社団法人として新たなスタートを切ることとなりましたが、これまで培ってきた公益への寄与という課題を引き続き果たしていくことを、会員のすべてが確認しているところであります。
 今日のこの場は、そのような会員全員の思いを皆様にお伝えする場でもあります。皆様には、私どもの意をお汲み取りいただき、次の50年へ向けて動き始めた日本植物油協会並びに会員企業に、倍旧のご指導とご交誼を賜ることをお願い申し上げ、式辞といたします。

平成24年5月15日
一般社団法人日本植物油協会
前会長 楳田 純和


【 資料2 日本植物油協会設立50周年記念式典閉式の辞 】

 本日は一般社団法人日本植物油協会設立50周年記念式典に、鹿野道彦農林水産大臣をはじめ、内外から多くの皆様のご来臨を賜りましたことに、厚く御礼を申し上げます。式典は極めて質素なものでございましたが、皆様から温かいご祝辞を賜り、次の50年へ向けて出発する日本植物油協会への何よりの贐(はなむけ)であり、心より感謝申し上げる次第でございます。
 楳田前会長が、式辞において私どもの50年の歩みを振り返り、そしてこれからの決意を申し述べました。その決意を実行するのが私ども新執行部の責務と心得るところでございます。

 (中略)

 現在の10年は、過去の数十年に匹敵するという言葉を耳にすることが多くなりましたが、複雑化し、変化のテンポが速くなった環境への対処が困難になったことを象徴する言葉でありますが、同時に、過去の成功経験が今日では必ずしも有効ではなくなったことを意味するものでもあります。目の前に広げられた無数の海図の中から、最も有効である海図を即座に選択できることが、今日の私どもに求められる航海術であると申し上げてもよいかもしれません。
 日本植物油協会に集う会員のすべては、このような思いをもって、これからも斯業に精進し、私どもに与えられました社会的責務を全うしていく所存でございます。また新たに一般社団法人となりました協会は、公益法人時代に培いました経験をもとに、これからも皆様のお役にたてる組織として運営してまいりたく存じます。
 本日ご来臨賜りました皆様には、これまでの50年にもましてご交誼と叱咤激励を頂戴することを改めてお願い申し上げ、一般社団法人日本植物油協会設立50周年記念式典閉式の言葉といたします。

平成24年5月15日
一般社団法人日本植物油協会
会長 今村 隆郎


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