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■8年で10倍に伸びたオリーブオイル市場
オリーブオイルの輸入量は、89年から97年の8年間で約10倍と大幅に伸びています。特にここ2~3年の伸びはめざましく、96年が前年の約2倍、97年が同じく約1.5倍の輸入量
を記録しました。オリーブオイルには食用以外での使用もあるのですが、図表1でわかるように、食用の輸入量 が急激に増えているのが近年の大きな特徴です。
オリーブオイル市場が拡大した理由としてあげられるのは、まずイタリア料理のブーム。本格派のイタリア料理レストランで本場の味に親しむ機会が増え、雑誌、テレビの料理番組では、レシピでオリーブオイルの名前を見ることも増えました。
もうひとつの理由は、オリーブオイルのヘルシーイメージが拡がったこと。ギリシャ イタリアなど地中海地方の国では心疾患の発生率が低いのですが それは食生活にオリーブオイルが定着しているからともいわれています。 |
■オリーブオイルの種類
オリーブオイルとひとことで言っても、様々な種類があります。オリーブの品種、樹齢、気候風土の違いがオリーブオイルに様々な個性を与えます。たとえば、搾る時期の違いだ
けでも、若いオリーブの実からは早摘みオリーブの若々しい風味の緑色のオイル、熟した 実からは濃厚な香りと甘みある黄金色のオイルと、香り、味、色の異なるものができあがります。
そうした様々なオリーブオイルの品質規格上の分類が、最近よく耳にする “バージン”“ピュア”といった呼び方です。国際オリーブオイル協会の定めた分類によると、「バージンオリーブオイル」とはオリーブを絞っただけの精製されていないオイルのこと。「バージンオリーブオイル」は酸度やテイスティング評価によってさらにいくつかのタイプにわかれますが、なかでも最高の品質とされているのが「エクストラバージンオリーブオイル」です。
また「ピュアオリーブオイル」は、「バージンオリーブオイル」と精製して香りをやわらげたオリーブオイルをブレンドしたもので、よりマイルドな味わいが特長です。
図表3でわかるように、最近は「バージンオリーブオイル」の浸透が進んでいます。つまり、より味わいの強いオリーブオイルも日本人の舌に馴染んできたようで、昨今のオリーブオイル人気は、単なるブームを超えてキッチンに確かに定着しつつあるという手応えが感じられます。
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■オリーブオイルのおいしい使い方
さて、タイプの違いがわかったところで、次にそのおいしい使い分けをご紹介しましょう。一般 的には、オイル自体の風味を楽しみたい時は「エクストラバージン」、炒めものやフライなど加熱する料理には「ピュア」と考えればOK。特に「エクストラバージン」の場合、イタリアの食卓などでは、生野菜にそのままかけたり、パンにつけるなど、“そのままかけて食べる”という使い方がよくされています。イタリア人にとってのオリーブオイルは、料理にコクや香り、風味を添える“調味料”。油といえば炒めたり揚げたりするときの“道具”のように考えがちだった人には
ちょっと新鮮な使い方かも知れませんね
オイルの特長を生かしたおいしい使い分けのコツと料理アイデアを図表5にまとめました。これを参考に、オリーブオイルの奥深いおいしさを楽しんでください。 |
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