日加菜種予備協議に引き続いて開催されたカナダ菜種協会(Canola Council of Canada:略称CCC)の年次大会では興味深い数字が示されました。カナダの経済に菜種産業がどれぐらい貢献しているかというデータです。この調査は、カナダ農業・農産食料省(Agriculture & Agri-Food Canada)の支援を受けてCCCが実施したもので、2007/08年から2009/10年の3カ年の平均値として示されています。
表3は、農場で播種される種子の金額から始まり、各段階で発生すると推計される付加価値を示しています。また表4はそれらを主な州別に分解しています。総額は約15億4千万カナダドル(1ドル=85円換算で約1兆3千億円)に及ぶと推計されています。カナダの菜種産業に携わる人達は、このような経済効果をもたらしていることを大きい誇りとしているのです。
【 表3 菜種産業がカナダ経済にもたらす経済効果 】
(種子を除き、各段階で生み出される付加価値額)
(単位:百万カナダドル)
発生段階 |
金額 |
説明 |
種子の供給 |
570 |
農場で播種される種子代金。毎年35,000~40,000トンの種子が播種される |
菜種の栽培 |
10,500 |
約96,000人と推計される農場雇用者の賃金を含む |
菜種種子の搾油 |
983 |
年間1,800人を雇用している。製粉など他の農産物加工業雇用者の3分の1を占める |
菜種油の精製 |
420 |
これは更に油脂加工産業に新しい価値を生むが、この金額には含まれない |
菜種の集荷・分配 |
893 |
各段階のエレベーターにおいて発生する付加価値で、賃金、料金を含む |
菜種及び加工品の流通 |
826 |
トラックや鉄道において発生する付加価値 |
菜種油・ミールの利用者 |
1,600 |
菜種ミールを給餌する酪農業やマーガリンなど菜種油の加工産業で発生する付加価値 |
【 表4 州別にみた経済効果 】
(単位:百万カナダドル)
ブリティッシュコロンビア |
550 |
マニトバ |
3,300 |
アルバータ |
5,000 |
オンタリオ |
816 |
サスカッチェワン |
5,400 |
ケベック |
252 |
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