日加菜種予備協議では、次年度(2011年8月~2012年7月)までの需給予測が行われます。しかしカナダの担当者は「今年ほど予測が難しい年はなかった」と言います。それは、これまで述べた生育状況において的確な生産量を見込むことがができないことにあります。収穫面積、収量の予測は「パズルだ」とのことでした。しかし過去のトレンドと期待感を込めて、生産量を約1,350万トンと仮定した需給見込みが示されました(表1参照)。
【 表1 2011/12年のカナダ産菜種需給予測 】
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2008/09年 |
2009/10年 |
2010/11年 |
2011/12年 |
播種面積(千エーカー) |
16,160 |
16,125 |
16,818 |
18,474 |
収穫面積(千エーカー) |
16,048 |
15,680 |
16,128 |
17,790 |
反収(bu/acre) |
34.7 |
34.9 |
33.7 |
33.6 |
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期首在庫(千トン) |
1,462 |
1,662 |
2,125 |
1,391 |
生産量 |
12,644 |
12,417 |
12,327 |
13,556 |
輸入量 |
121 |
128 |
235 |
138 |
供給量合計 |
14,227 |
14,207 |
14,687 |
15,085 |
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国内需要量 |
4,280 |
4,789 |
6,190 |
6,488 |
種子及び飼料用 |
377 |
168 |
321 |
385 |
輸出量 |
7,908 |
7,125 |
6,785 |
7,433 |
需要総合計 |
12,565 |
12,082 |
13,296 |
14,306 |
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期末在庫 |
1,662 |
2,123 |
1,391 |
779 |
期末在庫率(%) |
13.2 |
17.6 |
10.5 |
5.4 |
注:カナダの菜種輸出業界による予測。
1エーカーは約45アール、1bu(ブッシェル)は約22.67kg。
この予測は、「菜種の需給が逼迫する可能性が高い」ことを示しています。2011/12年度末の在庫推計量は78万トン、在庫率(需要量に対する在庫数量の割合)は5.4%と1ヶ月分の需要量に満たない異常な低水準となることが予測されています。来年の端境期に十分な菜種が確保できないおそれがあり、価格も高水準になることが見込まれます。
在庫数量が減少する要因は、需要量が100万トンも増加することにあります。このうち、国内需要が30万トン、輸出需要が70万トンの増加と見込まれています。
今から20年ほど前、カナダの菜種生産量は250万トン程度で、そのうち200万トンを日本に輸出していました。日本は、唯一最大の「Valuable Customer」でした。しかし世界の植物油需要が急速に拡大する中で、カナダ国内の製油業界は多大の投資を行い、工場の新設や規模の拡大を進め、現時点では年間740万トンの菜種を圧搾できる能力を備える存在となりました。
それでは、輸出需要はどうなるのでしょうか。
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