オリーブ油のお話し

8.オリーブ油の国際規格

 日本国内で植物油の規格を定めているのは、「農林物資の規格化及び表示の適正化に関する法律」(通称、JAS法)です。

 JAS法はオリーブ油の規格も定めていますが、極めて単純な規格で、実際の流通には利用されていないのが現実です。これは法令の不備ではなく、もともと国内で生産され、流通するオリーブ油がわずかであることから、国内規格を定める意義が希薄であることによるものです。

 このため、国内でオリーブ油を取り扱う企業の多くは、国際オリーブ油協会(IOOC)が定めている定義と規格に準じて商品を供給しています。IOOCの定めるオリーブ油の定義は次のとおりです。



【 表5 国際オリーブ油協会の定めるオリーブ油(食用)の定義と規格 】
表5 国際オリーブ油協会の定めるオリーブ油(食用)の定義と規格

 表5で、単にオリーブ油と示したものは、“ピュア・オリーブ油"と表現される場合があります。

 この表では、製造方法と製品の物性のみを示していますが、オリーブ油にとって大切な風味は、この規格では分かりません。このため、厳正な品質鑑定によってバージンオリーブ油の格付けが行われます。

 IOOCはオリーブ油の品質鑑定能力があると認定する人に“オリーブオイル・テイスティングパネル"の資格を付与しています。オリーブ油味覚鑑定士という位置づけです。このパネル8名以上で構成するチームが風味の官能試験を実施し、ここで高い評価を得、優れた風味を有すると認められたものがエクストラ・バージンオリーブ油となり、更に特徴を強調する表示が認められます。

 IOOCがこのような細分化した定義を定め、認定した専門の鑑定士による判断を行っているのは、低級品にエクストラバージンと表示されたり、他の油を混合した粗悪品が横行することを防止し、オリーブ油の品位を維持したいとする強い意志によるものです。

 社団法人日本植物油協会の会員企業が販売するオリーブ油は、このような厳しい規格に準拠したものであることをご理解いただきたいと存じます。

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