神に祝福されたかどうかは極めて主観的な見方ですが、オリーブ油が他の植物油とは異なったものであることは確かなようです。
多くの植物油は、特有の色や臭いが好まれないため精製という工程を経て人間の食べ物になります。しかし、オリーブ油は、もともと有している淡い黄金色とふくよかな香りが好まれることを特徴としています。このような特徴を有した植物油としては、ほかにはごま油が知られています。
また、多くの植物油が種子から抽出されるのに対し、オリーブ油は果肉から採取されることも特徴の一つです。果実は保管ができず、時間の経過とともに品質が急速に低下します。このため、収穫直後の新鮮なうちに油を搾ることが必要になります。果実の収穫時期に集中して油を搾り、温度管理のできるタンクに保管し、次の収穫期まで継続的に出荷されます。
果肉から採取する植物油としては、他にパーム油が知られていますが、熱帯に生育し、いつでも収穫が可能なパームは油の形態で長期保管することはありません。また、パーム油は精製しなければ食用にはなりません。
出自そのものが気高いというと他の植物油から批判の声が聞こえそうですが、何となく貴公子のような雰囲気を醸し出しているのがオリーブ油なのです。 |