タイトル

~ 菜種は豊作も、品質に懸念 ~

 日本植物油協会は、農林水産省、油糧輸出入協議会(輸入商社で構成する団体)と共同して、カナダの菜種協会(CCC, Canola Council of Canada)との間で日加なたね協議を開催しています。
 第28回の協議は、2004年12月9日に開催されました。この協議では、日本―カナダ間の菜種貿易を円滑に進めるための情報の交換が行われました。
 この協議の中で、私どもが特に関心を有している菜種の供給事情と品質に関して、次のような報告がありました。

[1]2004年産菜種は770万トンの豊作

カナダの2004年産菜種の生産量は、およそ770万トンとの情報が提供されました。各州ごとの生産見込みは次のようになっています。

 州 別  2004/05年産見込み 2003/04年産 増減率(%)

マニトバ

1,778 1,735 2.5

サスカッチェワン

2,903 2,676 8.5

アルバータ、BC

2,970 2,193 35.4

その他

77 65 18.5

合 計

7,728 6,669 15.9
資料:カナダ統計局(2004年12月8日発表)


[2]供給数量は確保、品質には懸念

 この770万トンの生産を前提にした2004/05年度のカナダ産菜種の需給は、次のように見通されています。このなかで、輸出は303万トン、日本へは165~170万トンの輸出を期待していることが示されました。

 しかし、カナダ穀物委員会(CGC)が毎年行っている品質調査に用いられたサンプルのうち、日本が輸入しているNo.1グレードは62%で前年の84%を大きく下回っています。このことは、品質に優れた菜種を必要なだけ入手することが難しくなるかもしれないことを示しています。

 また、年間を通じて低温・湿潤な気候であったため、クロロフィルの含有量が高く、脱色に例年以上のコストを要する懸念があります。

 品質が優れないことは、需給見込みにおいて、「飼料用、廃棄、夾雑物」の数量が前年より大幅に増加していることにも示されています。期末の在庫予想は193万トンですが、このなかには、商品として流通することができない品質のものがかなり含まれているとの説明がありました。また、生産見込数量には、雪に覆われ未収穫のものも含まれています。これらは、春の雪解けを待って収穫されますが、品質には多くを期待できないことを懸念しています。

 一方で、オーストラリアの菜種が干ばつにより減産となり、品質にも期待できない状況にあります。数量はあるが、品質に悩むという一年になりそうです。

   2003/04年度 2004/05年度
(見込み※)
変動幅

期首在庫

894 612 612

国内生産量

6,771 7,700 7,400~8,000

輸入量

242 200 175~200

総供給量

7,907 8,512  

輸出量

3,750 3,030 3,000~3,050

種子用

37 35 35

飼料用、廃棄、夾雑物

118 415 386~425

国内圧搾量

3,390 3,100 3,025~3,100

総需要量

7,295 6,580  

期末在庫量

612 1,932 1,600~2,200
※カナダの輸出業界による見込み。生産量は統計局発表の端数を切り捨て770万トンとしている。
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